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静岡

選挙区ライブ 1〜3区

2017年10月19日 紙面から

 衆院選は投開票日まであと三日。県内で名乗りを上げた二十六人の候補者は懸命に支持を訴え、激しい選挙戦を繰り広げている。終盤を迎えた県内情勢を小選挙区ごとに紹介する。

(衆院選取材班)

◆1区 現職閣僚に3候補挑む

写真はいずれもポスター

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 公示日ぎりぎりまで野党の候補者が揺れ動き、自民ベテランに希望、立憲民主、共産が挑む構図となった1区。世論調査では自民優勢が伝えられるが、野党は「安倍政権の暴走を止めよう」と街頭で懸命に訴える。

 上川陽子さんは法相として二回目の選挙戦に臨む。他候補の応援でほとんど地元にいられないため、導入したのがインターネット電話「スカイプ」を使った演説会。十六日は訪問先の佐賀県から、JA静岡市千代田支店(葵区)に集まった支援者に「信頼ある国造りのため、愚直に活動させてほしい」とスクリーンで呼び掛けた。

 維新からの出馬を取りやめ、希望の公認を受けた小池政就さんは十日、自転車に乗って遊説し「しがらみ政治の打破、身を切る改革の方針は一貫している」と訴えた。若さや身近さをアピールし「投票率が上がればその浮動票が自分に流れる」と自信を見せる。

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 青山雅幸さんは弁護士の立場から、浜岡原発の再稼働や九条改正に反対する。公示日の十日、静岡市役所前で集まった約三百人を前に「浜岡原発は活断層のすぐ上にある。絶対にこの浜岡を再稼働させてはならない」と訴えた。

 鈴木千佳さんは十六日、激しい雨の中で街頭に立ち、消費増税や憲法改正への反対を主張した。「若者を戦場に送る九条の改悪を許すわけにはいかない」と安倍政権を批判し、「戦時中から平和を訴えてきた筋金入りの共産党に比例で投票してほしい」と力を込めた。

上川 陽子 64 自前<5>

青山 雅幸 55 立新

小池 政就 43 希元<1>

鈴木 千佳 46 共新

◆2区 3極が激突、風はどこへ 

写真はいずれもポスター

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 「一部の人ではなく、すべての人に光が当たる政治にしたい」。雨が降る十六日朝、松尾勉さんはJR島田駅前で、元環境相の細野豪志さん(46)と並び、通勤客らに訴えた。

 前回と同じ顔触れの2区だが、構図は変化した。松尾さんは「政治家の原点」と仰ぐ細野さんが新党設立に動くと、いち早く民進党を離れて合流。自民、希望、共産の三極対決となった。

 ただ、陣営には新党設立当初と比べて風が吹いている実感はない。「自分が走って風を起こす」。松尾さんは、二万人との握手を目標に街頭を駆け回る。

 一方の井林辰憲さんは十四日、JR藤枝駅前で声を張り上げた。「私も公明党も本当に厳しい。自公政権をしっかり固めさせてほしい」。比例東海ブロックから出馬する公明前職の大口善徳さん(62)と手を振り、固定票の上積みを図った。

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 前回は大差をつけたが、松尾さんの希望入りに「浮動票は来ないと思っている」と警戒。街頭演説やミニ集会など有権者に直接訴える活動を増やした。安倍晋三首相も応援に入った。三期目に向けて油断はない。

 四ツ谷恵さんは街中でマイクを握り「憲法を守り、生かしていく」と訴える。ともに改憲に前向きな自民、希望との違いを前面に打ち出す構えだ。

 「消費税増税より前に、富裕層に負担を求めるべきだ」と安倍政権を攻撃する一方、希望に対しても「自民の補完勢力だ」と批判し、戦前から続く党の一貫性をアピールする。

井林 辰憲 41 自前<2>

松尾  勉 33 希新

四ツ谷 恵 65 共新

◆3区 無所属注目、台風の目に

写真はいずれもポスター

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 希望の党の公認決定に翻弄(ほんろう)された小山展弘さんと鈴木望さんが立候補した3区。決定直後は二人の明暗が分かれたが、その後は党の支持率に勢いが見られず、それぞれの戦略で選挙戦を進める。

 「無所属の私が、保守からリベラルまでの受け皿となる」。公認から外れた小山さんは、党に縛られない立場を前面に押し出し、幅広い層の取り込みに力を入れる。

 連合静岡や共産の一部、県内選出の参院議員がバックアップ。十一日は連合の神津里季生(りきお)会長、十七日には岡田克也さんらが応援に駆け付けた。比例復活はなく、背水の陣で臨む陣営は「無所属が功を奏し注目度が上がった」と手応えを感じている。

 一方、公認を得た鈴木さんは、党の顔でもある細野豪志さん(46)との共闘を強調し、ライフワークとして取り組む中部電力浜岡原発廃炉や二〇三〇年の原発ゼロを掲げる。

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 急な出馬で準備が遅れ、態勢は万全とは言えない。従来の後援会などの協力で草の根運動を展開する。十日には掛川市内で細野さんと街頭演説し、「原発はいらない。政治のしがらみを断ち、改革を断行する」と訴えた。

 宮沢博行さんは政権の継続を訴える選挙戦を展開。十一日に安倍晋三首相が応援に駆け付け、経済政策など与党の実績を強調した。

 公明と連携し、農業、商工など各種団体の票を固める組織戦を展開。共産が自主投票となるなど従来と構図が変わったことに危機感を募らせ、組織の引き締めを図っている。

鈴木  望 68 希元<1>

宮沢 博行 42 自前<2>

小山 展弘 41 無<前><2>

=<前>は比例代表

主な政党の公約

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