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静岡

選ぶ秋<4> 笙かなで 心整え 勝ち祈願

2017年10月17日 紙面から

神事では音楽も供え物の一つ。当選の願いを込め祝詞とともに神職により笙が奏でられ、選挙事務所内は厳かな雰囲気に包まれる=浜松市内で

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 幽玄な雅楽の音色が、緊張感漂う選挙事務所を包む。インターネットによる選挙運動が盛んな現代でも、必勝祈願から選挙戦は幕を開ける。

 古代から受け継がれてきた笙(しょう)や龍笛(りゅうてき)の伝統の音。目を閉じ耳を澄ませると、神社の境内にいるかのようだ。高ぶる気持ちを抑え、心を落ち着かせる効果があるのだろうか。

 「演奏中は『無』です」と浜松市中区の相生稲荷神社の宮司は語る。神にささげる神聖な旋律。参拝者の心に残るよう一つ一つ、目の前の作法に集中する。時代とともに変化の大きい政治と選挙だが、変わらない文化が身近に息づいている。

 候補者と有権者の思いが幾重にも重なり合った時、願いはかなえられる。

(写真・斉藤直純 文・古桧山祥伍)

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