• 中日新聞ウェブ
  • 中日新聞プラス

静岡

推薦候補わずか2人 民進の分裂で連合混迷

2017年10月14日 紙面から

◆ゴタゴタ…応援に嫌気も

 民進党の支持母体である連合静岡が揺れている。衆院選で支援するはずだった民進の公認候補者は相次いで離党し、公示前の野党再編で民進が希望の党と合流。組織として推薦する候補者は静岡3区の無所属前職と6区の希望前職の二人にとどまる。傘下の産業別労働組合(産別)は支持政党が分かれる事態に陥り、選挙活動自体を拒否しようとする労組も出てきた。 

 「真面目に取り組んでいる前職が、希望から公認を得られないなんてことが許されるのか」。公示日翌日の十一日、3区の無所属前職の小山展弘(のぶひろ)さん(41)の決起集会に駆け付けた連合本部の神津里季生(りきお)会長は、感情をむき出しにして、希望の候補者選定をなじった。

 組織内候補である小山さんの当選は、連合本部として最重要課題だ。連合は民進出身の前職を希望が排除・選別する手法に反発。組織としては特定の政党を支援せず、推薦候補を個別で応援することを正式決定した。連合静岡は小山さんの支援のため、3区の労組以外にも浜松市の7、8区と藤枝市などの2区の組合員を総動員して必勝を期す。

 連合静岡は8区で自主投票を決めたが、スズキ労組を中心に希望新人源馬謙太郎さん(44)を支援する動きが広がっている。浜松市の労組関係者の男性は「反自民、非共産となれば8区の選択肢は源馬さんしかない。形としては自主投票だが、スズキ労組が全面バックアップする」と明かす。

 男性が所属する労組は希望のほか、他県では立憲民主党の候補者も支援する。県内でも自治労県本部が1区で立憲民主新人の青山雅幸さん(55)を推すなど、連合内部で支持政党が分かれる事態になった。男性は「企業の労組ですら、地域によっては(支持政党が)バラバラだ」と説明する。

 4区の希望新人田中健さん(40)は衆院解散前に民進を離党した。田中さんを長年支援してきた4区内の労組は公示後、ポスター貼りやポスティングなどの選挙活動をしていない。元幹部の男性は「離党の際、うちにひと言のあいさつでもあれば別だったが…。仁義を切らないのは論外だ」と振り返る。

 男性は言う。「国政選挙で活動しないのは二十年ぶりくらいだろうか。非正規労働者が増えて組合員が減って、選挙を負担に思う組合員も増えている。一度やめてしまえば、選挙をやらなくなってしまうんじゃないのか」

(衆院選取材班)

主な政党の公約

新聞購読のご案内