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静岡

期日前投票 入場券間に合わず混乱も

2017年10月12日 紙面から

大学で期日前投票を行う有権者=11日、浜松市中区の浜松学院大で

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 衆院選の期日前投票が十一日、静岡県内でも始まった。大学や商業施設など五十五カ所で投票所が設けられ、有権者が票を投じた。ただ、突然の衆院解散で選挙準備が間に合わず、有権者に投票所入場券が届いていないケースが続出。各市町の選挙管理委員会に問い合わせが寄せられた。県選管は「入場券が無くても身分証の提示などで期日前投票は可能」と理解を求めている。

 投票所の入場券は公職選挙法施行令で「公示後速やかに交付するよう努める」と定められている。静岡市選管は十日に全ての入場券を発送した。十一日時点で届いていない人から一時間に一、二件のペースで「入場券はいつ届くのか」という問い合わせの電話があるという。市選管担当者は「急な選挙で遅くなってしまった」と釈明した。入場券がなくても、三カ月以内に引っ越しをしていない限りは投票できるという。

 浜松市選管はいつも通り公示前日の九日、市内の有権者約六十五万人分の入場券を郵便局に持ち込んだ。担当者は「遅くても十三日には届くと思う」と話す。

 浜松市中区の浜松学院大では静岡7区と8区の投票所が開設された。授業前に投票を済ませた同大子どもコミュニケーション学科二年の秋田健作さん(19)は「大学に投票所があるのは便利でいい」と評価。浜松市中区文丘町の自営業名倉繁政さん(63)は「仕事は手抜きすると干されちゃう。政治家も真面目にやってほしいね」と誠実さを求めて一票を投じた。

 期日前投票所は二十一日まで計百二十一カ所に設置される。土、日曜を含み午前八時半から午後八時まで受け付けるが、一部で受付時間や日程が異なる。最高裁裁判官国民審査の期日前投票も受け付けている。

 二〇一四年の前回選挙での県内小選挙区の投票率は55・61%。戦後最低だった一九九六年の61・45%を5・84ポイント下回り、戦後初めて投票率が50%台に落ち込んだ。期日前投票をした人は三十四万三百七十五人で投票率は11・11%だった。

(衆院選取材班)

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