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静岡

県内候補者アンケート<1> 「何を問う選挙か」

2017年10月12日 紙面から

◆「安倍政権への評価」半数超

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 二十二日投開票の衆院選は「自民・公明」「希望・維新」「共産・立憲民主・社民」の三極構図となった。公示直前の野党再編など政局の話題が先行する中、憲法改正、消費増税など論争されるべきテーマは多い。中日新聞社が静岡県内の八小選挙区の候補者二十六人に行ったアンケートで、「何を問う選挙か」を聞いたところ、野党を中心に半数以上の十五人が「安倍政権への評価」と回答し、次いで自民と希望の六人が「政権選択」と答えた。

 希望の候補者は「安倍政治の体質を認めるか否か」、共産の候補者は「安倍政権への審判」とそれぞれ回答。安倍政権の四年十カ月の評価や森友・加計(かけ)学園問題の対応など、首相の政治姿勢を問う考えを示した。

 今回の衆院選では、衆院解散前から野党第一党の民進党が希望に事実上合流し、希望から排除・選別された民進前職が立憲民主党を結成した。県内の選挙区でも自民に対し、希望のほか、立憲民主、共産が挑む三極構図が生まれている。野党が分裂して選挙戦に臨む形となり、希望がもくろむ政権交代を争点とした選挙戦の機運は遠のいている。

 自民候補の一人は「政権選択」と回答し、別の自民候補二人は「責任を持って問題解決できる政権担当能力」「外交・安全保障政策の方向性」が問われると説明する。特定秘密保護法や安全保障関連法、「共謀罪」法など重要法案を次々に通し、有効求人倍率の高止まりなど好調な経済指標を理由に、自公政権の安定と継続を訴える。

 有権者は「何を問う選挙」と考えているのか。藤枝市の看護師小沢元子さん(58)は憲法改正の是非に強い関心がある。平和のために憲法九条は変えるべきではないが持論。今回の選挙を「安倍政権が続き、憲法が改正されるかを問う選挙」と命名した。

 「浜松市の学童保育を考える会」代表で、同市中区の会社員村田亜希子さん(35)は自民と公明が主張する幼児教育の無償化に注目する。「メリットはあるが、保育の質や保育士の待遇はどう変わるのか。無償化で社会全体が良くなるかはわからない」と話す。

 公示前の政党の消滅や相次ぐ新党の誕生で、戸惑う有権者は少なくない。村田さんは「いろんな人が政党の出入りを繰り返し、信念や実行力があるのか見えてこない。本当にこの人に委ねていいかを見定める選挙にしたい」と述べた。

(衆院選取材班)

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