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静岡

小選挙区26候補が第一声

2017年10月11日 紙面から

 衆院選が公示された十日、県内八小選挙区に計二十六人が立候補した。四年十カ月の安倍政権の是非や改憲、消費税増税のあり方も争点になる。秋晴れで汗ばむ陽気だった初日、候補者が有権者に訴えた声を紹介する。

 上から届け出順。年齢は投票日基準の満年齢。届け出政党は自=自民、希=希望、共=共産、立=立民、無=無所属。前元新の別で<前>は比例代表での選出。経歴にある=< >囲みの政党は推薦・支持。

◆1区

上川 陽子(かみかわ・ようこ)さん(64)自前

安定政権で国難対応

 安定政権の中で今の国難に対応する。北朝鮮のミサイルの脅威に対しては、日米同盟を基軸に諸外国と団結した制裁措置の実現が必要だ。少子化対策としては全世代型の社会保障に転換させ、8%から10%に引き上げる消費税を未来の子どもたちに届けたい。テロの脅威もある。迅速かつ正確な入国管理に向けて法務省職員と一丸となって取り組む。初心と変わらず地域の大切な声を国会に届ける愚直な姿勢を一貫していく。

法相(元)総務副大臣・少子化担当相・三菱総研研究員▽米ハーバード大院▽静岡市駿河区大谷=<公>

青山 雅幸(あおやま・まさゆき)さん(55)立新

間違った道 変えよう

 戦後長きにわたり日本は平和を守り抜いてきた。憲法九条があるからだ。しかし今、憲法改正が議論されている。日本を戦争できる国にしてはならない。原発問題。浜岡原発は活断層のすぐ上にある。命、安全、暮らしを守るため、再稼働させてはいけない。貧困問題もある。働く人の給料は下がり、巨大企業は史上最高の収益を上げている。日本はどこかで間違った道を進んでいる。私たちの力で静岡から日本を変えよう。

浜岡原発廃炉等弁護団静岡事務局長・カネボウ美白化粧品被害県弁護団長▽東北大▽静岡市葵区鷹匠=<社>

小池 政就(こいけ・まさなり)さん(43)希元

身を切る改革を断行

 高齢者世代に不安が広がり、子どもたちが夢を持てなくなっている。この状況を生んだのは、癒着し、腐敗した政権と、反対ばかりで無責任な野党だ。静岡県から全国に風を吹かせ、新しい社会をつくろう。消費増税の前に身を切る改革を断行する。教育と介護の負担を減らし、国民の将来の安心につなげる。今回は政権選択選挙。政権を代えようとする仲間が増えている。希望の党は有権者に新たな選択肢を示していく。

(元)しずおか維新の会代表・日大准教授・東大院特任助教・丸紅社員▽東大院▽静岡市駿河区池田

鈴木 千佳(すずき・ちか)さん(46)共新

平和守れ 暮らし守れ

 臨時国会冒頭での解散は安倍首相の暴挙だ。こうした政治の私物化を絶対に許さない。また、安倍首相は憲法九条を変えるという公約を掲げた。憲法違反の安全保障関連法によって、海外の戦闘地に参戦して支援する危険な軍隊としての自衛隊を、九条に書き込もうとしている。こんなことは絶対に許せない。九条を守れ、平和を守れ、暮らしを守れ。市民と野党の共闘で勝利する。政治を国民の手に取り戻す。

党県常任委員・女性子育て部長(元)民青中央委員▽静岡大法経短大▽静岡市駿河区曲金

◆2区 

井林 辰憲(いばやし・たつのり)さん(41)自前

子どもへの投資 前面

 子育てや教育など、未来を支える子どもたちへの投資を政策の前面に出している。誰もが自分の将来に希望を持てる社会にしたい。ただお金を使えば地域が良くなるという時代は終わった。インフラ投資があって、その先に地域の開発があり、いろいろな仕事や産業が生まれる。そのような動きをつくり出したい。大変厳しい戦いが待っている。東京から間違いなく台風がやってくるが、絶対に負けたくない。

党財務金融部会長代理(元)環境政務官・国交省中部地方整備局地域道路課長▽京大院▽藤枝市本町=<公>

松尾 勉(まつお・つとむ)さん(33)希新

地方から教育無償化

 安倍政権では、東京にばかり若い人やお金が集中した。一部の金持ちや大企業だけの政治ではなく、みんなの声を受け止める政治を。子どもたちが希望を抱ける社会にしたい。まずは地方に笑顔を。地方から教育無償化を進める。福島の悲劇を繰り返さないために、原発ゼロ、浜岡原発の再稼働は許さない。政策と政策がぶつかる選挙戦になる。すべての人たちにきちっとお金が回る仕組みをつくり、政策を届けていく。

(元)衆院議員秘書・環境省放射性物質汚染対策参事官室課長補佐▽東大▽藤枝市高柳

四ツ谷 恵(よつや・めぐみ)さん(65)共新

社会保障 増税頼らず

 消費税増税に頼らなくても、社会保障を手厚くすることはできる。大企業の法人税を増やす改革をし、軍事費の一部を回すことで五兆円の財源をつくる。大学の学費を半分にし、介護職の報酬を増やす。ノーベル平和賞を「ICAN」が受賞したが、唯一の被爆国である日本が核兵器禁止条約に参加しないのはおかしい。北朝鮮についても対話のルートを探るべきだ。武力を使い、テロを生む行為は間違っている。

党県中部地区副委員長・県原水爆被害者の会島田支部事務局長▽埼玉県川越女子高▽島田市月坂

◆3区

鈴木 望(すずき・のぞむ)さん(68)希元

浜岡原発をやめよう

 終始一貫して、浜岡原発をやめることと、地方分権の推進を強く訴えている。二〇三〇年までに原発をやめる。原発産業に就いている人の職、代わりの産業育成、代替エネルギー、原発の交付金で暮らしている自治体をどうするか。期限を設けて計画的に対策を考え、ワンパックでやめる。消費税増税の前に無駄を徹底的に切らなくては。細野豪志さんとともに、しがらみを断ち、改革を断行して政権交代を訴える。

(元)原発県民投票静岡共同代表・磐田市長・厚生省課長・在サンパウロ総領事館領事▽一橋大▽磐田市上本郷

宮沢 博行(みやざわ・ひろゆき)さん(42)自前

人口減に有効対策を

 目の前にある北朝鮮危機も国難だが、じわりじわりと忍び寄る人口減少も日本の国難だ。どの政党がどれだけ有効な対策を示すことができるか。それが今回の選挙の大きな争点となる。働く人がどんどん減っている。お年寄りや女性、若者に頑張ってもらい、一億総活躍社会の実現を図っていく。奨学金の充実や教師の数の増加など教育にもお金をつけさせてほしい。中小企業対策や農家の経営安定にも力を入れていきたい。

党経済産業副部会長・国防副部会長(元)防衛政務官・磐田市議・派遣社員・塾講師▽東大▽磐田市見付=<公>

小山 展弘(こやま・のぶひろ)さん(41)無<前>

政党に縛られず信念

 無所属での立候補は、政党に縛られず自分の信念を正直に訴えられる大きなチャンス。今回の選挙の最大の争点は国粋的で説明責任を果たさない安倍一強政治を問うこと。さまざまな癒着を正し、包容力を持った戦後の穏健な保守を受け継ぎたい。農協を地域インフラとして位置付ける農業政策や子育て支援の充実、報徳立国日本の推進などを訴えたい。国民の生活を第一に考え、保守からリベラルまでの受け皿を目指す。

協同組合振興研究議連事務局長・経済技術安全保障議連事務局長(元)農林中金職員▽早大院▽磐田市中泉

◆4区

松原 聡(まつばら・さとし)さん(55)共新

苦しむ声をぶつける

 安倍政権のもとで、暮らしも民主主義も踏みにじられている。苦しんでいる、怒っている人の声をぶつけ、安倍政権を退陣に追い込む選挙にしたい。憲法を守る、戦争する国づくりは反対だ、という声をぜひ寄せてほしい。安倍改憲ストップを実現する。消費税10%は中止する。大企業優遇から、負担能力に応じて納める税制に変え、税金は社会保障や子育て、若者優先に使い、八時間働けば暮らしていける社会をつくる。

党県常任委員・静岡4区国政対策委員長(元)しんぶん赤旗記者▽静岡大中退▽静岡市清水区押切

田中 健(たなか・けん)さん(40)希新

地方自立へ憲法改正

 生まれ育った静岡に人生をささげたいと思い、総選挙に挑戦することにした。安倍首相は消費税の使い道を自ら判断せず、選挙で国民に判断を丸投げしている。国難を突破するなら国会議員が法律をつくって解決するべきだ。だが、私たちは解散をあえてチャンスと捉える。地方自治体が自立していけるよう、憲法改正に取り組む。年金制度も持続可能なものに切り替える。私たち若い世代が新しい日本をつくり直していく。

(元)都議・衆院議員秘書・大田区議・みずほ銀行員▽青山学院大▽富士市岩淵

望月 義夫(もちづき・よしお)さん(70)自前

大型事業 今後が大事

 七期でいろんなことを仕掛けてきた。公共事業は悪だと言われるが、それでは地方は駄目になってしまう。清水港や中部横断自動車道といったものをしっかり根付くようにしていく。やっとめどが付いてきた。これからが大事な時期。この選挙、命懸けで戦い抜きたい。政治はロマンであり、現実。希望だけ持っていたってよくはならない。ちゃんと計画し、実行し、成功させていかなければならない。

(元)党幹事長代理・環境相・国交副大臣・環境政務官・外務政務官▽中大▽静岡市清水区矢倉町=<公>

◆5区

吉川 赳(よしかわ・たける)さん(35)自元

成長の波を地方にも

 この二年九カ月、地域の声を聴くことに徹してきた。皆さんが昭和を駆け抜けたようにわれわれもこの国を前に進めねばならない。老後や将来の不安、子どもたちのこと。まさに転換期に来ている。自民党は直すべきところ、政策課題が多々あるが、経済成長の波を地元の隅々まで伝え、財政を安定させることが重要。東京からの風が起きているが都会のおごりに地方の誇りをもち戦う。皆さんの思いを国政で形にする。

党県5区支部長(元)参院議員秘書・老人保健福祉施設職員・衆院議員秘書▽日大院▽富士市厚原=<公>

井口 昌彦(いぐち・まさひこ)さん(63)共新

富裕層に応分税負担

 消費税の使い道は社会保障から借金の返済になり、今度は子育て、教育に回すとまた変わった。信用できるだろうか。消費税を8%に上げてから消費不況が続く。10%への引き上げは中止し富裕層、大企業に応分の税負担を求めていこう。憲法九条を守ることで自衛隊は海外で殺し、殺されることがなかった。憲法改正ではなく、憲法をないがしろにする政治を変えるべきだ。八時間働けば普通に暮らせる社会にしたい。

党県委員・県東部地区副委員長(元)赤旗沼津出張所長・東邦生命職員▽東洋大▽沼津市岡一色

細野 豪志(ほその・ごうし)さん(46)希前

党派を超え安保に力

 希望の党を立ち上げたので、これまでと違う気持ちで選挙を迎えた。私が民進党を離党した理由の外交安全保障については党派を超えて取り組み、国内政治では弱い人の側に立って多様な生き方を支えたい。希望の党は情報公開を徹底し、公文書の管理を徹底する。しがらみのない政治を実現するため、消費税率引き上げの凍結、企業の内部留保への課税を検討したい。今回は政治生命を懸けて勝負に臨む。

(元)民進党代表代行・環境相・原発事故収束再発防止担当相・三和総研研究員▽京大▽三島市西若町

◆6区

内田 豊(うちだ・ゆたか)さん(63)共新

疑惑隠しに抗議の声

 森友、加計の疑惑隠しで解散したことに、第一声として抗議の声を上げる。疑惑の中心は安倍首相だ。消費増税にはストップを。税の使い方、集め方の両方に問題がある。憲法を守れるかどうかも一つの物差しになる。九条を変えることは憲法そのものを否定し、国民を戦争の危険に陥れる。核兵器禁止条約を結ぶため唯一の被爆国・日本が先頭に立たねばならない。市民との連合、野党の共闘のため全力を尽くす。

党県伊豆地区委員長(元)大仁町議・建設会社員・農業▽田方農▽伊豆の国市田中山

勝俣 孝明(かつまた・たかあき)さん(41)自<前>

故郷変えるため働く

 国民の将来を担う政党を選ぶ選挙。自公連立政権の中で社会保障や外交の問題を解決し、幻の道路といわれていた東駿河湾環状道路の西区間の新規事業化、伊豆縦貫自動車道の整備推進といった地域の課題も進めてきた。6区は二十一年間、一度も自民党が勝利していない。私も過去二回、比例復活当選に甘んじた。悔しい思いは一度も忘れたことはない。今度こそ小選挙区で勝ち抜き、故郷を変えるために働きたい。

党県6区支部長(元)経済産業委員・スルガ銀行員・企業経営研究所研究員▽慶大院▽沼津市花園町=<公>

渡辺 周(わたなべ・しゅう)さん(55)希前

数の力と互角に戦う

 選挙の本質は安倍政権を良しとするかどうかのただ一点だ。数の力を背景にする政権と互角に戦うため、新党への合流を決めた。沼津市予算の八年分にあたる年間五千五百億円の海外援助を若者への投資に向けたり、アベノミクスで利益を上げた企業の内部留保に課税したりと、消費増税の前にやるべき見直しがある。安倍一強のおごりを終わらせるには与野党伯仲する必要がある。日本の政治の歴史をもう一度つくりたい。

県ボーイスカウト副連盟長(元)防衛副大臣・総務副大臣・県議・読売新聞記者▽早大▽沼津市末広町

◆7区

城内 実(きうち・みのる)さん(52)自前

日本の地位上がった

 今回の解散は「大義がない」といわれるが、年末から来年にかけて北朝鮮情勢が緊迫する可能性があり、選挙するなら今しかない。五年近くの政権で築かれた安倍晋三首相と海外の首脳との信頼関係のおかげで、国際社会の中で日本の地位が上がってきた。今、誰だか分からない人が総理大臣になったら、世界は相手にしてくれない。自民、公明の連立政権の基盤を強化するとともに、消費税の使い方を選んでもらう選挙だ。

党経済産業部会長(元)拉致問題特別委員長・外務副大臣・外務省職員▽東大▽浜松市北区初生町=<公>

日吉 雄太(ひよし・ゆうた)さん(49)立新

政治のでたらめ直す

 アベノミクスの成果は一部に対してあっただけで、多くの国民にとっては失敗だったと分かってきた。さらに、森友学園、加計学園問題のような、特定の支援者や友人ばかり優遇するこの政権を倒さなければならない。今の政治のでたらめを直していきたい。国民の命を守り、生活を豊かにし、不安を払拭(ふっしょく)して希望ある社会をつくっていくことこそが政治の使命。生活を第一に考えた政治を実現していきたい。

公認会計士(元)監査法人トーマツシニアマネジャー・中教審分科会部会専門委員▽一橋大▽伊東市富戸

野沢 正司(のざわ・まさじ)さん(68)共新

野党、市民共闘に努力

 安倍政権の国政私物化と憲法を無視した暴走政治を止めさせる。安倍首相は北朝鮮問題で圧力強化ばかり言うが、話し合いによる平和的な解決も目指さないと。消費税10%増税も中止させる。富裕層と大企業に応分に税負担を求め、消費税増税分に移す。国民本位に使い、社会保障の充実や年金改革、子育て対策に振り向けたい。憲法を守り、経済を平和に発展させ、野党と市民の共闘に努力する共産党を伸ばしてほしい。

党県西部地区常任委員・党浜松市北区副委員長(元)商社会社員▽静岡大▽浜松市北区東三方町

福村 隆(ふくむら・たかし)さん(54)希新

安心して結婚、子育て

 日本の政治や経済は停滞し、混沌(こんとん)としている。県の経済は上向き基調だが、給料が上がらないなど恩恵を実感できない。政治家一人一人が国民の目線に立って、切磋琢磨(せっさたくま)し、政治や経済を担っていく環境が必要だ。町に住む人たちが絆を深め、明るく楽しく生活できる環境をつくる。若者が安心して結婚し、子育てできる環境も、働く人が職場でも家庭でも、健康で楽しく過ごせる環境もつくっていく。

(元)成城大非常勤講師・メリルリンチ日本ファイナンス社長▽米マサチューセッツ工大院▽静岡市葵区吉野町

◆8区

源馬謙太郎(げんま・けんたろう)さん(44)希新

子どもを増やし活力

 日本中で人口減少が進んでいる。子どもを増やして活力ある地域にしなければ、どんどんじり貧になってしまう。そのために、積極的に現役世代に投資して少子化対策を行う。前提として、国会議員側に身を切る改革が必要だ。自分たちの給料がそのままでは、国民の理解は得られない。また、政治には緊張感が必要。自民党政権だけでは駄目だという声は多い。民間企業と同じように、切磋琢磨(せっさたくま)する環境をつくり出したい。

会社役員(元)県議・浜松JC理事・松下政経塾生▽米アメリカン大院▽浜松市東区天王町

塩谷 立(しおのや・りゅう)さん(67)自前

アベノミクスで成果

 北朝鮮のミサイルが日本の上空を飛ぶなんて許されない。今後何が起きるか分からない状況の中、国連で制裁が決議された今こそ国民に信を問い、対抗することが必要だ。教育費無償化のために消費税の使途を転換することは、将来の日本の少子化対策にとって英断となる。アベノミクスで国内総生産(GDP)や企業収益、個人所得も上昇している。まだ実感できていない中小企業や小規模事業所のためにも加速させたい。

党選対委員長・人工知能未来社会経済戦略本部長(元)党総務会長・文科相▽慶大▽浜松市中区蜆塚=<公>

嶋田 初江(しまだ・はつえ)さん(69)共新

憲法9条を変えるな

 安倍政権は五年間、政治を私物化し、森友・加計学園の問題で真実を明らかにしないまま解散した。戦争か、平和かを選ぶ選挙だ。希望は自民の補完勢力にすぎず、8区で安保法制に反対、憲法九条を変えるなと訴えているのは私だけ。所得の低い人ほど負担が大きい消費税を増やすのではなく、アベノミクスでもうけた富裕層や大企業に応分の負担をしてもらう。子どもたちのために平和をバトンタッチし、お金を使おう。

党県西部地区副委員長・保護司(元)浜松市議・保育士▽東京保育学校▽浜松市南区楊子町

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