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静岡

希望の船出 明暗

2017年10月4日 紙面から

 十日公示、二十二日投開票の衆院選に向け、野党再編の主役となった新党「希望の党」。三日に発表した第一次公認候補者の名簿には、静岡県内八つの小選挙区のうち7区を除く七選挙区で、党設立メンバーの細野豪志さんらの名前を載せた。公認を得た立候補予定者は、お墨付きを得て勢いを増す一方、願いかなわず公認から漏れた二人は落胆。公示日まで一週間と迫る中、ようやくの希望の公認発表で、県内の構図が固まり始めた。

◆8区・源馬さん 6区・渡辺さん 「安心した」

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 「ほっとした」。8区で公認を得た源馬謙太郎さんは名簿で自身の名前を確認し、頬を緩ませた。衆院選への出馬は三度目で、過去二回も政党公認で出馬。「現在の選挙制度では政党に所属して戦う方が有利。安心した」と述べた。当選七回の渡辺周さん=6区=も「これで支援者に『希望の党から出る』と言える。一段落した思いだ」と安堵(あんど)した。

 早々と「希望の党」ののぼり旗を掲げ、静岡市清水区で街頭演説に臨んだのは4区の田中健さん。衆院解散前に希望の党入りを表明しており公認確実とみられていたが「(正式に公認の連絡が)やっと来た。これで堂々と胸を張って訴えていける」と意気込んだ。2区松尾勉さんも夕方に早速藤枝市内でマイクを握った。記者団の取材に「政権選択を問い掛ける選挙にしたい」と述べた。

◆1区・福村さん 3区・小山さん 「無所属で」

 1区と3区では、民進党の元公認候補者が名簿から漏れた。1区の福村隆さんは「私はリベラルではない。どこに(選別の)線があったのか教えてほしい」と無念さをにじませた。希望の党と合流しなかった枝野幸男氏の新党設立など新たな動きが出る中、二大政党制になる可能性が低くなったとして「無所属で出る選択もある」と明かし、一両日中に自らのスタンスを決断するとした。3区小山展弘さんも「厳しい状況だが大きなチャンスでもある。政党の制約を受けず、私個人の理念や信条を主張したい」と述べ、無所属での立候補を表明した。

 一方、公認を得た1区小池政就さんは「希望の党は政権交代を目指す実行力を持った勢力。急ピッチで発信していく」と気を引き締めた。3区の鈴木望さんも「小選挙区での勝利が私に与えられた使命。原発ゼロを訴える。政権選択をかけた選挙に打ち勝つため、全力を尽くす」と宣言した。

 希望の党の選別が表面化した結果を受け、民進党県連の岡本護幹事長は「民進からすれば、全員が合流してやっていけるという前提だった。驚いている」と憤慨。四日午前に緊急の県連常任幹事会を開き、1、3区の対応を協議する。

(衆院選取材班)

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