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静岡

「希望」待ち候補 足踏み 解散後初の週末「アピールしたい…」

2017年9月30日 紙面から

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◆看板、ポスター発注できず

 十月十日公示、二十二日投開票の衆院選で、公認候補者を出さないことを決めた民進党。新党「希望の党」の公認を希望する静岡県内の立候補予定者の多くは、内定をもらえないまま解散後初の週末を迎えた。街頭演説では新党ののぼり旗を立てられず、ポスターも発注できない。「早くアピールしたいのに…」と足踏みしている。

 三十日午前十一時すぎ。静岡1区で希望の党からの出馬を望んでいる新人福村隆氏は、「民進党」ののぼり旗とともに、静岡市葵区の呉服町スクランブル交差点に立った。「何も無いよりは」と考えたが、足を止める人は少ない。「希望の党の公認申請を待ち、そのプロセスを進めています」。必死で新党を訴えた。

 同じく希望の党から出馬する意向を表明している源馬謙太郎氏=静岡8区=の事務所(浜松市中区)の壁は真っ白。通常なら党首や本人のポスターを掲示するが、所属政党が決まるまでは張れる物が無いからだ。「政党名が書けず、報道機関のアンケートに答えるのも難しい」とスタッフは嘆く。解散日の支援者集会では、源馬氏自身が「民進党の名前の入ったハガキを五万枚も刷ってしまった」と苦境を明かした。

 過去七選しているベテラン渡辺周氏=同6区=の陣営も、身動きが取れない状況だ。看板やポスターを発注できず「早く公認が欲しい」とスタッフは切望。支援者にも戸惑いが広がっているといい「比例はどう書けばいいんだ、『渡辺周』と書けばいいのか、と聞かれる。希望の党と書いてもらえるよう呼び掛けていかなければ」と話す。

 三人の古巣である民進党県連にも手詰まり感が漂う。公認取り消しが決まって以降、事務局は外注していた政見放送の収録や新聞広告のキャンセルに追われた。十月三日から立候補届け出書類の事前審査が始まるが「過去の選挙では県連でまとめて対応していたが、今回は各陣営でやってもらうしかない」と野沢和彦事務局長は話す。「候補者の負担が増えて心配だが、党が違うのでどうにもできない」と嘆息した。

(衆院選取材班)

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