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静岡

3区 希望公認巡り激突  

2017年9月29日 紙面から

 衆院解散から一夜明けた二十九日、静岡県内の立候補予定者は街頭演説や支援者回りなど実質的な選挙活動をスタートさせた。民進党が希望の党に事実上合流するという野党再編のゴタゴタのあおりで、前職と元職が競合する静岡3区。希望の公認を巡って競合する二人の立候補予定者は、公認争いという異例の序盤戦を強いられている。

◆小山氏「やれることをやる」

 「有権者の反応は悪くない。公認が決まるまでやれることをやるしかない」。同日朝、JR袋井駅前での街頭演説を終えた比例東海前職の小山展弘(のぶひろ)氏(41)は取材に対し、自らに言い聞かせるように語った。

 民進党公認のお墨付きがなくなり、街頭演説で掲げたのぼり旗には党名はなく、本人の名前と自身のキャッチフレーズのみ。演説では野党再編に多くは触れず、得意分野の農業や金融政策に多くを割いた。

 磐田市の事務所では、ポスターやチラシに入った「民進党」の文字を消す作業に追われる。選挙用の印刷物や街宣車に掲げる看板も、公認が決まるまでは正式な発注を見送る。事務所は「公認を早くもらわないと、選挙戦に向けた準備が進まない」と困惑する。

◆鈴木氏 朝から組織づくり

 磐田市長も務めた元職の鈴木望氏(68)は、同日朝から組織づくりに追われた。出馬の意思を固めたのは解散の直前で、事務所探しのほか会計処理やポスターづくりなどに協力してもらうボランティアを確保しないと選挙戦はままならない。「これまで相当選挙はやってきたが、これだけバタバタなのは初めてだ」と焦りをにじませる。

 公認争いについては「自分が公認を得られると思っている」と自信を見せる。「公認されなければ廃棄になり、相当の痛手だが待っているわけにはいかない」。選挙で使うポスターやはがきには「希望の党公認」と入れて発注するつもりだ。

 静岡3区では、自民党前職の宮沢博行氏(42)も出馬を予定している。

(衆院選取材班)

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