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静岡

民進から希望へ激動の船出

2017年9月29日 紙面から

 衆院が解散された二十八日、波乱含みの衆院選が事実上スタートした。唐突だった安倍晋三首相の解散表明に触発され、設立された新党「希望の党」。民進党は所属の前衆院議員の多くが新党に合流する運びとなり、県内の選挙構図も一変した。対する自民党など主要他党は「負けるわけにいかない」と決戦を待ち受ける。

 「政権交代可能な勢力をつくるため、野党再編の最後のチャンス。野党が乱立すれば政権を利することになる」。衆院解散後に東京・永田町の民進党本部で開かれた両院議員総会に出席した党副代表の渡辺周さん(55)=静岡6区=は、前夜の「新党合流」の衝撃から一転、気持ちを切り替えた。

 自身も希望の党からの出馬に意欲を示しており、前原誠司党代表の決断に「非自民で同じような主張をする人たちが競うのは票が割れるだけ。名を捨てて実を取ろうとした覚悟と言える」と語った。

 希望の党の公認を巡って前職、元職が競合する3区。公認の行方は不透明だが、比例東海前職の小山展弘(のぶひろ)さん(41)は「公認が得られないことは考えていない。公認問題は前原代表が交渉してくれると信じている」と厳しい表情で語った。

 先駆けて民進党を離れ、希望の党の設立メンバーとなった5区の細野豪志さん(46)は新党の候補者擁立など準備に追われた。衆院議員会館に集まった大勢の報道陣に「ようやくここまで来たという思い」と党設立までの苦労を振り返った。

 希望の党から出馬を予定している新人の動きも活発化している。2区の松尾勉さん(33)は解散直後、藤枝市の事務所近くの交差点に立ち「政治の世界は荒れているが、惑わされることなく戦いたい」と訴えた。自身の動きに合わせるかのように持ち上がった民進党の合流話には「結果的には間違っていなかった」と晴れ晴れとした表情を浮かべた。

 8区から出馬を予定し希望の党の公認を目指す新人の源馬謙太郎さん(44)は「これまではどうなるか分からなかったが(民進党が新党に事実上合流する)大きな動きがあった。党の決定に従いたい」と気を引き締めていた。

(衆院選取材班)

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