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静岡

民進党県連 離党ドミノ警戒

2017年9月27日 紙面から

◆県内で「希望の党」攻勢

細野豪志氏(右)と握手を交わす田中健氏(中)と松尾勉氏=26日午後、東京都の衆院第一議員会館で

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 衆院解散を目前に控え、民進党県連の「離党ドミノ」が止まらない。二十六日には八月に先駆けて離党した細野豪志氏=静岡5区=に近い党公認の立候補予定者二人が離党届を出し、小池百合子東京都知事が代表を務める新党「希望の党」への合流を表明した。民進党は半数に上った空白区での擁立作業を進めるが、打開策は見えない。一方、新党の中心メンバーである細野氏は静岡2、4区で「引き抜き」に成功。ほかの選挙区でも候補者擁立をうかがう。 

 「この時期の離党は二重の裏切りだ」。民進党県連幹事長の岡本護県議は二十六日午後、離党した2区の松尾勉、4区の田中健両氏をこき下ろした。

 田中氏を支えてきた林芳久仁県議は「衆院選対応は今は考えられない」と肩を落とした。2区で松尾氏を支援していた佐野愛子県議は「松尾さんを息子のように思ってきたが、新党には民進と考えが違う人が多くいて応援できない。空白区になった場合、比例票獲得のために政党車を回すしかない」と顔をしかめた。

 一方、細野氏に近い県議らは二人の離党に理解を示す。ある県議は「民進党はじり貧。衆院選が終われば解党するのでは」と危ぶみ、衆院選では「表立てないが裏では細野氏を支援したい」と述べた。別の県議も「みんないつ離党するか考えている」と述べ、自身の離党の可能性も示唆した。

 二人の離党届提出前、衆院選対応のため集まった県連幹部は苦悩がにじむ。打開策が見当たらない現状に榛葉賀津也会長は「新党の動きは広がっていて、全国で競合すれば自民党が利するだけ。与党の対抗勢力をつくることが大事だ」と述べ、前原誠司党代表らと新党との連携について協議していることを明かした。

 細野氏は松尾、田中両氏に続き、県内でのさらなる候補者擁立を急いでいるとみられる。1区で日本維新の会から出馬を予定する小池政就氏(43)は新党参加の誘いを受け、元磐田市長の鈴木望氏(68)も3区から出馬の打診を受けたことを明らかにした。

 小池氏は二十六日、本紙の取材に日本維新の会からの出馬を明言。一方の鈴木氏は「原発ゼロなど細野氏の考えには共鳴している。手伝いたい意欲はあるが、調整が必要だ」と述べ、出馬への意欲を否定しなかった。二十六日に東京都内で記者団の取材に応じた細野氏は「あといくつかの(県内の)選挙区でチャレンジしていく」と明言した。

 野党候補が目まぐるしく揺れ動く中、迎え撃つ形の自民党。県連幹事長の中沢公彦県議は「候補者が乱立すると、有権者は戸惑うだろう」と評し、「われわれとしては誰が出ようと粛々とやっていくだけ」と繰り返した。

(衆院選取材班)

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