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静岡

解散突風 県内自治体、もう大汗

2017年9月23日 紙面から

◆投票所確保に苦心

通常業務をこなしながら衆院選に向けて準備する市選管の職員=浜松市役所で

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 突如として解散風が吹き荒れ、総選挙が迫る。投開票は十月下旬と見込まれているが、運動会や秋祭りといった行事が重なる時期だけに、県内の各自治体は投票所の確保に大わらわだ。主催者と調整したり、地元自治会に相談したりと対応に苦慮している。

 二十日午前、浜松市内の連合自治会長の男性(74)の携帯電話が鳴った。「いつもの投票所が使えない。どこかありませんか」。ある区職員からのSOSだった。男性は「急にそんなこと言われても」と漏らしつつ、代替案を伝えた。

◆日程早く決めて

 同市南区では、十月二十二日か二十九日の投開票をにらんで施設の空き状況を調べたが、三分の一ほどでイベントやスポーツ大会などの先約があった。正式な解散表明がない中、区選管の担当者は「代替施設を借りる可能性もあるし、利用者にも不便をかけてしまう。早めに決まると非常にありがたい」と言う。

 同市東区は、まず二十二日、次いで二十九日の想定で準備中。当日や設営に必要な前日の利用状況をみたところ、投票所となる小中学校での運動会や、協働センター(公民館)での行事があった。担当者は「日程が決まってから一つ一つ、個々に調整や話し合いをするしかない」と構える。

 中区の担当者は「両にらみで場所を仮押さえしているが、日程が正式に決まっていないので、先約があった場合に『どうしても使わせてほしい』とは言えない。解散総選挙をするなら早く表明して」とやきもきした心情を吐露する。「今は忙しくなるぞと腹をくくっただけ。日程が決まらないと走り出せない」

◆秋祭りと重なる

 湖西市は十月に各地で秋祭りがあり、二十二日の投票所の確保に苦慮している。二十九カ所のうち、祭りの休憩場所などになる予定の四カ所で地域と調整中。市選管は代わりの施設に変更したり、住民に場所の変更を依頼したり。担当者は「祭りは住民の皆さんが大事にしている伝統行事。どちらも優先したいが、悩ましい」と話す。

 掛川市の投開票所は小中学校や公会堂などの三十七カ所。市選管が二十二日の状況を調べると、ほぼ全ての施設で予約があった。担当者は「融通して空けてもらえそうな会場はまだ一部。突然すぎて間に合わせるのが大変」と頭を悩ませている。

(松本浩司、末松茂永、赤野嘉春、片山さゆみ)

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