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静岡

解散風に嘆き節 県内市町の選管

2017年9月21日 紙面から

投票箱を確認する牧之原市職員=同市役所で

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 二十八日に衆院解散の可能性が高まる中、県内市町の選挙管理委員会が慌ただしく準備に追われている。町長の解職請求(リコール)の是非を問う住民投票を控えた河津町のほか、町長選などトリプル選を終えたばかりの長泉町、市長選・市議選の投開票が衆院選と同日になることが濃厚な牧之原市では「手いっぱい」「投票箱が足りない」などと嘆き節も。一方、市域が全国二位の浜松市は中、南、天竜の三区が分割区となり、市選管は投票所運営などで難しい対応を迫られる。

◆「正直、手いっぱい」住民投票控える河津町

 町長のリコールの是非を問う住民投票の投開票を十月八日に控える河津町。町選管の担当者は「初となる住民投票を手探りで作業しているが、衆院選まで重なると正直、手いっぱい」と打ち明ける。

 衆院選は十月十日公示、同二十二日投開票の可能性が取りざたされており、投票所入場券の発送など事務が重なる恐れがある。選管担当職員は二人で、総務課など応援職員を借りてしのいでいる。担当者は「三〜四人雇用している臨時職員を増やして対応したい」と話す。

 今月十七日に町長選、町議選、県議補選のトリプル選を終えたばかりの長泉町。町選管担当者は「選挙運動の収支報告書の確認などの事務作業が終わっていない。選管職員は人事や給与など別の仕事を兼務しており、年末に向けての仕事に支障が出そう」。トリプル選後も投票所の確保などに忙殺されている。

◆「投票箱足りない」同日選濃厚な牧之原市

 十月二十二日に市長選・市議選の投開票を控える牧之原市。市選管の担当者は「同日選となれば、投票箱が(各投票所で)三つ増える計算。ほかの自治体から借りたり、新規購入も検討しないといけない」。投開票日が同日となった場合、県選管からは衆院選の開票を先にするよう求められており「市民の関心の高い市長選などの開票結果が翌日にずれ込みそう」と悩ましげだ。

 市域が広大な浜松市は選挙区が二つに分かれる区もあり、投票所に訪れた有権者の適切な誘導や、選挙公報の配布に細心の注意を払う。市選管の担当者は「あらためてミスがないよう指示を出した」と話した。

(沢田佳孝、末松茂永)

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