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滋賀

<終盤戦突入>4区 知名度向上へ奔走

2017年10月21日 紙面から

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 「私は先月の二十五日まで県議会議員を務めておりました」。街頭や集会所でマイクを握ると、小寺さんは決まって自己紹介から入る。4区は新人三人の争いながら、他の二人は過去の衆院選を経験済み。各紙の情勢分析で優勢と伝えられてもなお、「新顔の自分は知名度で劣る」との危機感があるからだ。

 県議時代は縁のなかった近江八幡市を重点地区にして、浸透に徹してきた。ターゲットは自民党の支持者が多い農家の人たち。4区は県の農業生産高の半分を占める一大産地だけに、農業政策は有権者の受けもいい。「農業を基盤とした地方創生の仕組みをつくりたい」と訴えると、大きな拍手がわき起こる。

 演説の終盤で、選挙直前に分裂した野党に批判の矛先を向けるのも定番。「今まで言ってきたことを180度転換する人たちには、日本のかじ取りは任せられない」と語る。

 そんなライバル候補の攻めに対し、地元の近江八幡市で守りに徹するのは徳永さんだ。衆院選と同日投開票の市議選に紛れるのを恐れ、十五日の告示前に甲賀、湖南市を精力的に回った。今週からは近江八幡市で地盤固めを図っている。

 公示三日目の夜に湖南市で開いた個人演説会で、既に声はガラガラ。「安倍政治を終わらせ、現役世代が効果を実感できるように税金の使い道を変える」と、訴えは終始一貫している。「草の根からの民主主義」も掲げ、立憲民主党支持層の取り込みも狙う。

 駅立ちやつじ立ちを重視し、演説会を開かない夜も。過去の選挙で得た知名度をさらに高める戦略を採る。「家から飛び出して手を振ってくれる人も。相手候補の背中がようやく見えてきた」と手応えを感じている。

 「国民の声を聞かなさすぎる、安倍政権はもう終わりにしようではありませんか」と訴えるのは西沢さん。消費税の10%への引き上げ、改憲への反対と、長時間労働規制への思いをぶれずに訴える。

 細かく訴えを浸透させるべく、一日二十カ所ほどで演説。人通りの多い駅やスーパー前はもちろん、団地や住宅地などでもマイクを握る。

 苦戦と伝えられるなか、陣営幹部は「議員経験のある候補者に目が行くのは仕方がない」としつつも、態度を決めきれない有権者も多いと分析。県内全てで市民と野党の統一候補を立てた経緯を挙げて、「共闘の約束をきっちり守った。大義はこちらにある」と譲らない。

 徳永さんを擁する希望を「自公の補完勢力」と位置付け、政権批判票の結集を図る。

主な政党の公約

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