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滋賀

<終盤戦突入>2区 立ち位置の差、訴え

2017年10月19日 紙面から

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 「本当に厳しい選挙だ」。長浜市中心部の個人演説会。上野さんは、連夜の演説会で枯らした声で繰り返し訴えた。報道各社が世論調査で「序盤リード」と伝えたため、緩みの打ち消しに躍起だ。

 今回は改革保守を掲げる「希望」が登場。上野さんは「風が変われば、結果は大きく変わる」と民意の動向を気にかける。

 一晩で五カ所開くこともある演説会では、具体的な数値を交えて実績や政策をじかに訴える。経済政策や北朝鮮問題への対応、地域のインフラ整備−。与党の強みを生かして他候補との違いを鮮明にし、足元の支持を固める。

 重点的に攻めるのがライバル田島さんの牙城、彦根市だ。前回選では同市での得票数が千四百票差で苦杯をなめた。陣営幹部は「彦根を切り崩し、票を掘り起こす」と息巻く。現職閣僚や元タレント議員の応援を集中させ、攻勢を掛ける。

 「自分の政治姿勢や考え方は、彦根市議としてスタートした二十七年前から何も変わっていない」と訴えるのは田島さん。旧民主で議席を重ねてきたが、今回は希望から出馬。支持者からは「安保法容認に転じたのか」と戸惑いの声が寄せられる。

 安倍政権を倒すためには、政権交代が可能な政党が必要だ−。街頭や個人演説会では必ず、希望から出馬した真意について説明を尽くす。

 彦根、長浜の大票田を中心に、選挙区内をくまなく街宣。広く訴えを知ってもらうため、街頭演説の回数を増やし、無党派層や政権批判票の取り込みを図る。

 比例復活を果たした前回以上に手応えを感じており、「前回もかなりリードされていたが、残り一週間で相当追い上げた。まだまだ、できることがある」と意気込む。

 対月さんは公示直前、市民団体と野党三党の統一候補として初出馬を表明。急ごしらえの選挙戦にねじを巻き、毎朝のようにJR駅前に立って課題の知名度アップを図る。

 「安倍さんを総理の座から絶対に引きずり降ろす」と、対立軸として憲法改正反対や原発廃止を掲げ、支援を受ける共産の票を固める。

 元高校教諭や住職の経験も前面にアピール。教育問題や命の尊さを力説する。安保法容認に転じたとして田島さんにも批判の矛先を向け、自民、希望に替わる受け皿として無党派への浸透を狙う。

 諸派・幸福実現党の荒川さんは、長浜市を中心に街頭演説を精力的にこなし、消費税減税や核シェルターの設置などを訴えている。

主な政党の公約

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