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滋賀

<終盤戦突入>1区 経験三様、声からす

2017年10月18日 紙面から

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 JR大津京駅の駅前広場。「地域への投資は国が責任持って進めます」と、大岡さんが語りかけた。「車上よりも地面に立つ方が有権者に声が届く」と、時には階段の段差を演台代わりにして駅立ちやつじ立ちを重ねる。

 国道整備や年金運用の見直しといった実績を訴えつつ、自衛隊の憲法明記の必要性を強調。ビラは予想以上にさばけて最終的には三万部刷るなど「感触は悪くない」という。

 森友や加計学園疑惑などによる政権不信が波打ち、有権者から「安倍を辞めさせろ」という厳しい一言を掛けられることも。三期目を目指す今回の選挙を「一回目の出馬は上り調子、二回目はなぎ。今回は支持もある分、拒否も出てきた」と表現。「コツコツ愚直に訴えていかないと勝てない」と気を引き締める。

 公示直前の出馬表明となった嘉田さんは、駅立ちや選挙カーからの呼び掛けに力を注ぐ。「相手は軍艦、私たちは手こぎ舟で挑む」と訴え、政見放送がないことや、ポスター掲示やチラシの数で制約のある無所属候補が巨大与党に立ち向かう「草の根」に例える。

 二期八年の知事時代の実績としては、財政再建、子育て支援、環境保全の三つを「滋賀モデル」と挙げ、特に強調。「滋賀の出生率は沖縄を除けば全国一番だ」と誇り、「人口減少に手を打ってこなかったのは自民党政権だ」と批判を展開。女性の浮動票は取り込みも期待する。

 引退する川端達夫さんの後継の立場も強調し、「額に汗してまじめに働く人のための政治のバトンを受け継ぐ」とも。知名度だけには頼らず、連合滋賀の支援を受けて労組の組織票も取りまとめにも力を入れている。

 小坂さんは、知名度不足を補うため、街宣活動に力を入れてきた。団地や駅、スーパーを中心に一日十カ所以上で演説。「自民党は、教育費無償化のため憲法を変えると言っているが、予算の配分を変えれば今のままで十分できる」と、長年小学校教員として勤めた立場から改憲阻止や脱原発を訴える。

 大岡さんと嘉田さんの接戦を予想する序盤情勢を受け、陣営幹部は「知名度の低さがあるから仕方がない」。一方、嘉田さんの出馬には大義が無く、反安倍政権票の受け皿になりきれていないと分析。共産、社民両党の支持層をほぼ固め、無党派層や安倍政権に批判的な保守層への食い込みで票の上積みを狙う。

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 二十二日の投開票が徐々に近づく。街頭演説から企業回りと、朝から晩まで湖国を駆け回る候補者たちが重視する活動やその手応えは。各候補者の選挙戦を追った。

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