滋賀
2017年10月15日 紙面から
(上から届け出順)
「働き方が、政治によってむちゃくちゃにされている。若い世代のことを何とかしなきゃと思います」と力を込める。学生時代の学費引き下げ運動が原点。苦しむ同世代や若者に「政治の責任で暮らしは変わるんだ」と伝えたい。労働時間の規制や、派遣労働の見直しを訴える。
大学では歴史学を専攻したが、就職は厳しかった。最初に働いた家電量販店では長時間労働が常態化。当時は自身もパート社員で、派遣やアルバイトを掛け持って食いつなぐ友人もたくさんいた。そんな若者を助けようと、誰でも入れる労働組合を結成するため走り回り、経営者と粘り強く交渉した。
今は実家を離れ一人暮らし。休日に料理をして、フェイスブックに投稿すると反応は上々だという。ロックバンドの「バンプオブチキン」が好きで、よくカラオケへ。運動は苦手で、ランチがおいしいカフェを探してのんびりする。
自他共に認める泣き上戸で、家族についても「苦労をかけてきた思いは人一倍ある」と思わず目を潤ませる。だから選挙では「泣かないように」と心掛けているという。
四十二歳で県議選に出馬して初当選。だが、再選を狙った次の選挙で敗れ、東近江市長選でも落選した。二〇一一年に県議として返り咲くまでの四年間、浪人生活の悲哀を味わった。「まさに浮き沈みの人生。でも、つらいこと、苦しいことを経験したからこそ人の心の痛みが分かるし、広い視野で物事が見られるようになった」と前向きに受け止める。
政治家になるまでは書店を営んでいた。就職に失敗し、暇を持て余していた時に、郊外型店舗の流行を聞き付け開業した。時流に乗って店は大繁盛で、「当時の漫画やゲームに関する知識は豊富。団塊ジュニア世代とは、会話がばっちり合う」と笑う。
中学時代に起きたロッキード事件が政治家を志したきっかけ。報道も考えたが、大学在学中に「同じフィールドで闘いたい」と思うようになった。
民主党政権で外務大臣政務官を担い、ニュージーランド地震では現地で邦人の安否確認に尽力した。二度目の参院選、前回衆院選と連敗しており、四年ぶりの捲土(けんど)重来を期す。
「安倍政治を倒すという目標は同じ」と希望入り。合流を主導した前原誠司・民進党代表は松下政経塾の同期だ。彼は「プロレス技をかけ合った盟友」だが、「彼宛てに離党届を書くことになるとは」と複雑な胸中を明かす。
二女の父。県議初当選の一週間後に誕生した長女は高校三年になり、今回初めて一票を投じる。選挙事務所開きでは、後方で見守る長女に「お父さんに入れてくれるね」と念を押して笑いを誘い、子煩悩ぶりをのぞかせた。