滋賀
2017年10月4日 紙面から
県内で唯一、二人の前職がしのぎを削る2区。二連勝中の自民の上野氏と、希望から出馬する田島氏が競り合う。これに安保法廃止などを訴える無所属の対月氏が絡む構図で、情勢は混沌(こんとん)としている。
「過去の選挙に比べ、大変厳しい戦いになる。死に物狂いで議席を守る」。上野氏は危機感を隠さない。
上野氏と田島氏が相まみえるのは三回目。前回選は上野氏の六万五千票に対し、田島氏が一万一千票差まで迫る激戦となり、初めて田島氏の比例復活を許した。
内閣支持率に陰りも見える中、上野氏は希望の動向を「(代表の)小池(百合子)さんの人気がどれだけ出るか」と警戒する。
三期目は、財務副大臣や国土交通政務官として政権の要職を担った上野氏。選挙区は過疎化が進んでおり、「インフラ整備など地域のために汗を流させてもらったこともある。経済成長を確実なものにし、政策を愚直に訴える」と実績をアピールしていく構えだ。
田島氏は過去六回、旧民主から出馬し、うち四回議席を確保。希望からの出馬が決まった今回、「腹をくくった以上、頑張りたい」と決意を示す。安倍政権のアベノミクスについては「中小企業、個人商店にお金が回っていない」と批判する。
選挙戦は連合などの組織票を固めつつ、いかに無党派層の票を掘り起こせるかが鍵になりそうだ。1区から無所属で出馬する嘉田由紀子氏との連携も模索し、「これまでと変わらず、一緒にやっていきたい」と話す。
対月氏は市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民の会しが」と共産、社民などの統一候補として出馬する。安保法廃止と憲法改正反対を前面に打ち出し、自民、希望に代わる受け皿を狙う。「希望の党は、安倍政権と同じ。市民が手を携えて共闘し、目指すべき社会を明らかにする」と訴える。
諸派・幸福実現の荒川氏も出馬準備を進めており、消費税減税などを掲げる。