滋賀
2017年10月3日 紙面から
「安倍政治を終わらせる」−。衆院選に滋賀1区から無所属で立候補することを表明した前県知事の嘉田由紀子氏(67)。二日に大津市内で開かれた会見では、冒頭の言葉を六度も繰り返して出馬理由を説明した。
オレンジ色の字で「今の国政、ほっとけない。」と書かれた横断幕が掲げられた会見場。イメージカラーである緑色のジャケットを着て現れた嘉田氏は、「知事を引退して三年。周囲の皆さんに迷惑をかけることを覚悟して、県民の『もう一回、嘉田さんやってよ』という声に応えたい」と決意表明した。
安倍政権が運営する国政を「あまりにひどい私物化。ほっとけない」と批判。「真面目に生きても実を結べない時代の中で、友だちだけを優遇する。忖度(そんたく)すれば実を結ぶ。こんな政治でいいのだろうか」と問いかけた。
立候補の決断は先月二十四日。学長を務めていたびわこ成蹊スポーツ大(大津市)に辞表を提出し、月末で退職した。「若い人を育てるのは大変ありがたいこと。学長として、やりがいのある仕事ができた」と総括し、大学側からは「国で活躍してほしい」と背中を押されたという。
短期決戦となる今回の選挙。「組織や政党のしがらみの中で、一人一人が『この人に一票を託そう』という鉛筆一本の勇気で投票していただきたい。ミニ集会をしながら、丁寧に訴えていきたい」と述べた。
(鈴木啓紀)