希望、無所属の新人二人を破り、五回目の当選を決めた自民前職の宮下一郎さん。午後八時すぎ「当確」の一報に支持者らが沸く中、伊那市の伊那商工会館に姿を見せた。「多くの人の支えで戦い抜けた」と笑顔で語った。

　「優位」の声を振り払うように陣営を引き締めつつ、北朝鮮への毅然（きぜん）とした対応、伊那谷をモデルにした人口減少対策などを訴えてきた。支持者を前に「約束を果たしたい」と言葉に力を込めた。

　前職の厚い壁の前に敗れた無所属新人の曽我逸郎さんは「今回の戦いを予行演習と位置付け、改憲阻止に向けた活動の輪を広げたい」と今後を見据えた。

　野党統一候補の擁立が頓挫した後、非改憲勢力の結集を掲げて公示直前に出馬表明。市民団体による草の根の運動に加え、共産、社民などの推薦を得て「安倍政権と小池新党の前に立ちはだかる」と自民、希望との対立軸を鮮明にして無党派層への浸透を図ったが組織力の壁に阻まれた。