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長野

改憲「必要ない」49% 信大生アンケート

2017年10月20日 紙面から

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 選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられて初めての衆院選を受け、若者の政治意識を知ろうと、信州大の荒井英治郎准教授(36)=教育行政学=は、同大の学生二百五十五人にアンケートをした。憲法改正では「必要はない」の49%が「必要がある」の33%を上回った。望ましい選挙結果では「与党が野党を上回る」の32%と「与党と野党の勢力が伯仲する」の31%が拮抗(きっこう)。「与党と野党が逆転」は8%にとどまった。

 荒井准教授は、印象だけの若者論がはびこるのを懸念し、データで示そうと昨年夏の参院選前などにアンケートをしてきた。今回は衆院解散後の今月三、四日に実施した。

 荒井准教授は望ましい選挙結果の回答から「与党に期待しているわけでなく、民主党政権時代が失敗だったという意識が強い。与党と野党でチェックアンドバランスの関係を望んでいる」と分析。「若者の望む政党が乏しいかもしれない」とした。

 投票で重視するのは「経済対策」が19%でトップ。「憲法改正」17%、「安全保障・外交」15%と続いた。「まず自分たちの生活に最も身近な経済対策。安全保障は、北朝鮮の弾道ミサイル発射などで関心が高まったのでは」と指摘した。

 安倍晋三首相の解散理由や森友・加計学園の問題を巡る説明はともに「納得しない」が六割を超えた。「経済的に豊かな時代を知らない若者は安定志向だが、政府与党の説明責任には懐疑的だ」と指摘する。

 荒井准教授は、学生運動が盛んでない時代だからこそ、若者世代が投票で意思表示する大切さを強調。若者の投票率が低い現状に「多数決って便利だけど怖いぞと伝えたい」と語る。

 (中島咲樹)

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