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長野

候補者、街頭で声からす 最初で最後の選挙サンデー

2017年10月16日 紙面から

 二十二日に投開票される衆院選は十五日、十二日間の選挙戦のうち、最初で最後の日曜日を迎えた。突然の衆院解散で準備不足の候補者も多い今回の選挙。県内の立候補者十八人は少しでも名前を売り込もうと、冷たい雨が降る中でも街頭に繰り出し、演説に声をからした。

 ある自民候補は、自宅のある地区で、大規模商業施設が並ぶエリアを選び、この日の活動を始めた。開店前の家電量販店で朝礼に参加し、従業員らに顔を売り込むと、次は食品スーパーの駐車場近くで、選挙カーの屋根に乗って街頭演説した。

 県内で発生した土砂災害への復旧予算など、政府と県民のつなぎ役としての実績をアピール。「連立与党だからこそ政策を実行し、国民の夢を実現できる。もう一度任せてほしい」と訴え、買い物客らと握手して回った。

 ダウンジャケットにジーンズ、スニーカーという姿で駆け回ったのはある希望候補。「街頭活動はいつもこの格好。すぐに自分だと気付いてもらえる」と話す。実際、たすきは着けていなかった。

 午後二時から大型商業施設前で演説。消費増税前に議員が身を切るべきだと主張し「信州の代表として、他の議員に負けないよう働いた。これからもだ」と支持を訴えた。演説後は有権者に駆け寄り握手。未来の有権者である中学生との記念撮影にも応じていた。

 共産候補の一人は、地元の小さな屋外イベントに出向き、来場者や出展者に握手を求めながら支持をアピール。激励の言葉を掛けられると「ガンガン行きますので」と右手で拳をつくってみせた。人が集まる食品スーパーの近くなどを選んで街頭演説を重ねた。

 「安倍政治NO」などと書かれたパネルを並べ「戦争と平和を巡る大事な選挙。私を国会に送っていただければ平和を守る大きな力になる」と、支援の輪の広がりを訴えた。

 ある維新候補は、子育て世代に政策を訴えたいと、大型ショッピングセンターを巡り、街頭演説を重ねた。

 投票率の低い若年層に向け、まずは「ぜひ投票に行ってください」とアピール。普段の暮らしや子育てで共感してもらえそうな話題を選び党の看板政策を説明した。「教育無償化で家計に余裕ができれば、もう一人子どもを持てる。それで少子高齢化が解消すれば将来、年金を支える若者も増える」と訴えた。

 ある社民候補は午前中に選挙カーで農村部を遊説し、午後からは市街地を歩き回りながら道行く有権者にあいさつし、知名度アップに努めた。

 街頭演説では「この選挙で安倍暴走政治に歯止めをかけましょう」と主張。演説中、そばを車で通り過ぎる際にクラクションを鳴らして応援をアピールしたり、車の中でうなずきながら熱心に主張を聞いたりする有権者の姿も。候補は「この人たちのためにも頑張らなければ」と語った。

 ある無所属候補は果樹園や新興住宅街、神社などで街頭演説を重ね、稲と麦、大豆の種子生産を都道府県に義務付ける主要農作物種子法の廃止を決めた安倍政権を批判。「外国のグローバル企業に日本農業が支配されることは許されない」と訴えた。果樹園では農業男性(79)から「皆さんで食べて」とブドウを受け取り、「おいしそう」と頬を緩めた。

 新興住宅街では「安倍政権と小池新党の前に立ちはだかる」と主張。駆けつけた住民らと握手を交わした。

 (衆院選取材班)

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