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長野

<選挙区の情勢と顔ぶれ> 5区

2017年10月9日 紙面から

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 前回得票率が50%を超えた自民前職宮下に、前回は民主から出た希望新人の中嶋、初出馬の無所属曽我の新人二人が挑む。当初は共産新人が立候補を予定し前回と同じ顔触れの戦いとみられたが、野党統一候補の擁立を模索する市民団体の曽我が民進の希望への合流に抵抗感を強め、立候補を決意。共産新人は出馬を取りやめ、新たな三つどもえの構図となった。

■宮下陣営 野党警戒、支持者回り

 「足をすくわれてはならない」と陣営を引き締める。八年前に自身が議席を奪われ、昨年の参院選長野選挙区で自民候補が敗れた経緯から、新党や野党共闘の動きを警戒する。

 各地に設けた後援会支部の組織固めを進める。議員在職中から週末に地元に帰り、地域の催事や懇談会に小まめに参加してきた。解散後もミニ集会や支持者回りを重ね、支持拡大を図る。

 北朝鮮問題や人口減少への対策、産業構造変革といった課題で、与党の取り組みを強調。東京一極集中の是正に加え「伊那谷を地域創生のモデルに」とも訴える。

■中嶋陣営 労組票で雪辱果たす

 民進の希望との合流に一時は戸惑ったが、現在は「新しい日本をつくる好機」と前向きに捉える。

 打倒安倍政権や脱原発、消費増税凍結などを訴え「(希望になっても)主張は変えていない」と強調。政治姿勢の一貫性をアピールする。

 街頭演説を繰り返し支援者回りを続けている。連合の推薦を得て労組票を基盤とし、飯田青年会議所の活動を通じた人脈を生かすなど支持拡大を図る。

 初出馬して敗れた前回選の雪辱を果たすため、小池百合子代表の風を生かしつつ、政権批判票の取り込みを狙う。

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■曽我陣営 改憲派と対立軸鮮明

 市民団体代表として野党統一候補擁立を目指したが、民進や希望の動きを受け「平和憲法堅持、安保法制廃止、原発ゼロを求める有権者の受け皿に」と公示六日前に出馬表明。改憲などでは安倍晋三首相も希望の小池代表も「根は同じ」と対立軸を鮮明にして訴える。

 共産、社民に加え、市民団体などの支援を受ける。有志などのネットワークを頼りに草の根運動を進めつつ、立憲民主の支持層や連合傘下の自治労などとの連携を模索する。

 中川村長を三期務めた経験も強調。「上伊那に比べ知名度が低い」と飯田下伊那地域への浸透を図る。 (文中敬称略)

 =終わり

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主な政党の公約

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