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長野

<選挙区の顔ぶれと情勢> 2区

2017年10月7日 紙面から

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 二〇一四年の前回選で当選した自民前職の務台に、民進から希望に合流した元職下条、いずれも新人の維新手塚、社民中川が挑む構図。務台が失言問題を振り切って三選を果たせるか、政権批判票が野党の三候補にどう流れるか注目される。

■務台陣営 危機感持ち選挙臨む

 三月に失言で内閣府・復興政務官を辞任した後は、選挙区を細かく回り「おわび行脚」に奔走した。解散を前に県内でいち早く事務所を開設。「非常に危機感を持っている」と組織を引き締め、早めの態勢づくりで逆風からの巻き返しを図る。

 街頭では与党議員としての実績を強調し、若者が定住する地域づくりを掲げる。「試練を乗り越え、役に立つ政治家として成長できるよう頑張りたい」と訴える。

■下条陣営 労組へ支援拡大図る

 改憲や安保法制を容認する希望の党公認で出馬するが「お宿が変わっただけ。自民党を止めるには数を減らすしかない」と合流への理解を求める。「戦争のない日本」を目指す信念は曲げずに貫くと訴え、一時は共闘に向けて話し合った護憲派などに配慮を見せる。

 前回選、前々回選は議席を逃し、地盤強化に努めた。「働く人の手取りを増やして地域活性化につなげる」と主張し、労組などへの支持拡大を図る。

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■手塚陣営 しがらみのなさ強調

 「皆さんに負担をお願いするのであれば、必要な改革をして全て膿(うみ)を出し切ってから」。消費増税の凍結に加え、議員報酬の削減などによる「身を切る改革」も訴えて独自色をアピールする。

 業界団体などの組織的な支援を受けない「しがらみのない」政党を強調。昨夏からきめ細かい街頭活動を繰り広げて知名度向上を図り、「責任を持って将来のことを考える」と若さも前面に出して浸透を目指している。

■中川陣営 改憲反対の受け皿に

 民進の希望合流を受け、安保法制の廃止や改憲阻止を求める有権者の受け皿を目指して、公示五日前に正式に立候補を表明した。「選挙を通じて、憲法を変えさせない力を結集させていきたい」と力を込める。

 アベノミクスで格差や貧困が拡大したと安倍政権批判を繰り広げる。国政選挙への挑戦は三回目で、公認候補を取り下げた共産の支援を受け、政権批判票や護憲派の取り込みを狙う。

 (文中敬称略)

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