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長野

「祈必勝」だるま注文続々 繁忙期に拍車

2017年10月2日 紙面から

 衆院が解散し、二十二日投開票の日程で衆院選が実施されることを受け、日本大師達磨(長野市)には当選を祈願する必勝だるまの注文が相次いでいる。年末にかけて出荷数が増える例年の繁忙期に上乗せされ、忙しさに拍車が掛かっている。

 日本大師達磨には、解散前の九月十四日ごろから注文が入った。解散ムードが高まるにつれて注文が相次ぐようになり、一週間で県内を中心に東海地方や九州などから五十件ほど舞い込んだ。

 この会社の飯島一聖社長(56)は「祈必勝」を商標登録している。選挙用のだるまはおなかに「祈必勝」と記され、候補者名や選挙名を添えることもある。高さ五十四〜七十六センチの六種類が主流で、神社向けなど他のだるまと比べて大きいものが人気という。

 注文の早い陣営には事務所開きに合わせるが、大部分は公示日までに届ける。配送を考慮すると、十月五日ごろの作業終了を目指して進めている。

 短期間に多くの注文をさばかないといけないため、速乾料を塗料に混ぜる。特に「祈必勝」の文字は目立つよう乾きにくい塗料を使って乾燥に一日かかるが、速乾料を加えることで半日で済むという。

 繁忙期に合わせ毎年十月半ばから働く職人一〜四人に一カ月ほど前倒しして作業してもらっているが、飯島社長は「それでも選挙以外の作業が二週間ほど遅れるだろう」と語る。

 作業場では、胴体が赤く塗られただるまが二十個ほど寝かして置かれ、職人が黒いひげを丁寧に描いていた。

 飯島社長は「究極的な目標は当選だと思うが、選挙期間中に無事に過ごせるようにと思いを込めて作っている」と話していた。

 (中島咲樹)

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