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長野

民進支持団体に戸惑い

2017年10月1日 紙面から

 民進党が安全保障法制を容認する小池百合子東京都知事の新党「希望の党」への事実上の合流を決めたのを受け、安保法制に反対してきた民進党の支持団体や市民団体には戸惑いも出ている。昨年七月の参院選長野選挙区で野党共闘陣営が自公陣営に勝利し「衆院選でも」という動きが出ていたが、状況は大きく変わりそうだ。 

 民進党の支持母体にあたる連合長野は、十月五日までに希望の党への対応について結論を出す方針。中山千弘会長は「安保法制の問題などをクリアし、希望の党と理念や政策の一致をみないといけない」とする一方「安倍政権を倒すことが大義だ。選挙の構図は安倍対小池になってしまっており、今は(希望の党に)かじを切る方向で進めざるを得ない」と話す。

 だが、連合に加盟する労働組合には温度差がある。地方自治体の職員などが参加する社民党系の自治労県本部は安保法制や共謀罪の廃止、護憲を最重要視してきた。西沢忠司書記長は「希望の党が改憲容認の踏み絵を候補者にさせるならば許容できない」とし、支援するか慎重に検討する姿勢だ。

 野党共闘を呼び掛けてきた市民団体などにも戸惑いの声が広がっている。2区で統一候補の擁立を目指す市民団体のうちの一つ「本気で止める戦争!松本アクション」の呼び掛け人で、信州大名誉教授の又坂常人さんは「(希望の)詳しい政策は分からないが、安保法制を肯定していて集団的自衛権を認めている点では自民党と同じ」と指摘。

 松本地区労組会議の平谷哲治事務局長は「先が読めない状況だ。各党の対応などを見ながら共闘の道を模索していきたい」と話す。

 引き続き野党統一候補擁立を目指す動きもある。5区は自民現職、共産新人と、民進で希望の公認を求める新人の計三人が立候補予定だが、同区で野党統一候補の擁立を目指す県民主医療機関連合会の熊谷嘉隆会長は「希望の党は理念が分からないが、勝利すれば改憲勢力が増すことになるのは確か」とし、二十九日に民進、共産、社民三党に共闘を求める要請書を提出した。

 5区では同日、住民有志が統一候補の擁立を目指して市民団体「伊那谷市民連合」を設立。事務局の大石智之さん(35)=宮田村=は「立憲主義を守るために最後まで野党統一候補の擁立に力を尽くしたい」と力を込めた。

(衆院選取材班)

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