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長野

争点定まらず有権者困惑

2017年9月30日 紙面から

 安倍首相が急な解散を表明、二十一年ぶりに国会が冒頭解散されて事実上スタートした衆院選。民進党は「希望の党」へ事実上合流することを決めるなど政局の動きばかりが目まぐるしい。争点は定まらず、県内有権者に困惑が広がっている。

 「森友、加計学園問題で国民の疑問に答えず、説明責任を果たさないままの解散はおかしい。一強独裁の悪いパターンだ」と憤るのは南木曽町の工務店経営松瀬博敏さん(67)。「国民に説明していないから争点もない」と突き放す。

 辰野町の農業市川直美さん(51)も「なぜ解散が必要なのか納得できない。北朝鮮と米国の衝突が起こりかねない中で、政治の機能をストップさせていいのか」と首をかしげた。「環太平洋連携協定(TPP)は死活問題で反対だ。最近は話題にも上らないが、はっきりしてほしい」と農業政策の論戦が深まることを期待した。

 一方、小池百合子都知事の新党「希望の党」については、期待と懸念が交差している。

 須坂市の農業篠塚久義さん(69)は「今の民進党には勢いがなく、かといって自民にも賛同できない人は多いはず。選択肢が増えるので良い」と歓迎する。飯田市の会社員永田宗義さん(51)は「新党は東京という遠い所のこと。長野では浸透していない」と影響に疑問符をつけた。

 長野市の主婦曽根志のさん(76)は小池知事の姿勢にがっかりしたといい「東京五輪も控えている。都知事に専念した方がいいのに」と話した。

 松本市寿台の戸田俊子さん(70)は、民進党が希望の党に合流することについて「昨年の参院選で期待した野党共闘は何だったんだ」と残念がる。「(自民と希望の)どちらが勝っても保守同士で、改憲の動きが進むと思う」と懸念した。

 若者はどう見るか。松本市桐の大学生篠崎倖汰(こうた)さん(20)は「あいまいな理念ばかりの党でなく、最低賃金の上昇など具体的な政策を実現してくれそうな党に投票する」と強調した。飯田市の短大生有賀莉穂さん(21)は「家族に保育士がいるので、消費税を幼児教育無償化に使うという話は気になる。各党の政策を見て考えたい」と話した。

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