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長野

会場確保、各地で奔走 イベント中止、投票所変更など相次ぐ

2017年9月27日 紙面から

 衆院選の日程が十月十日公示、二十二日投開票となるのを受け、予定されていた各種行事の中止、会場変更を迫られるケースが相次ぎ、主催者側や選管は対応に追われている。

 飯田市で毎回、開票所として使っている勤労者体育センターは、二十二日に南信地域の子どもから大人までが参加する空手大会が予定されていたが、市選管がセンターを通じて急きょ主催者に日程や会場の変更を依頼。中止としてもらった。

 投票場となる小中学校体育館や公民館、集会施設などの多くは既にスポーツイベントや文化祭、地区の行事などが予定されており、市選管は六十七カ所の投票所の確保に頭を悩ませた。主催者に会場変更などを求めたが、五カ所で断られ、投票所を他に変更したという。変更は、投票所入場券のほか、チラシやホームページなどで周知する方針だ。

 同市では若者の選挙への関心を高めようと、五年ほど前から地元の高校生らを臨時職員として採用、投票所の受け付けに当たってもらっているが、学校側へ説明する時間が取れないとして断念した。「通常は投開票日の三カ月前から準備を進めるが、今回は投開票日まで一カ月ほどしかなく慌ただしい」と市選管の担当者は話す。

 下諏訪町の高木公民館で二十一、二十二日に予定されていた文化祭も、二十二日に同館が投票所となるため中止する方向に。当初、開催を一週間延期する予定だったが、本館機能のある町公民館から文化祭に必要な機材などが借りられないことが分かり、中止を検討するはこびに。大和一男区長(70)は「中止になるのは初めてではないか」と残念そうな表情を見せた。

 二十一、二十二日に文化祭を予定している岡谷市湊公民館は、投票所をみなと保育園に変更する。同公民館の担当者は「文化祭に向け住民が準備を進めてきており(延期など)日程は動かせないと判断した」と説明する。

 伊那市では、いつも投票所に利用している新山集落センターで、二十二日に新山地区の秋祭りが開かれる予定。市選管は、同センターを投票と祭りの両方で使用することや、祭りの日程変更の可能性を探った上で、開票所を近くの新山保育園にすることにした。

 松川町では、年齢や障害にかかわらず共に生きる社会を目指す「ふれあい広場」が名子原体育館で開かれるため、投票所を隣の旧北名子保育園にする方向で検討。高森町も、吉田区民会館で地域の文化祭が計画され、投票所を近くの吉田保育園に移した。豊丘村でも堀越区民会館は、採れたてのマツタケを味わう「マツタケ観光」の会場になっているため、隣の集会所での投票に変更した。

 松川町選管の担当者は「選挙も大事だが、その会場でのイベント開催に向けて準備してきた町民の思いも大切にしたい。例年とは違う会場になる場合は周知に努め、誘導員を置くなどして対応する」としている。

 (伊勢村優樹、福永保典、近藤隆尚、石川才子)

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