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三重

効率「日本一」の菰野町選管 「速さよりもノーミスで」

2017年10月22日 紙面から

 衆院選で熱い舌戦を続けた各候補の裏で、自治体間の静かな戦いも繰り広げられている。大学の研究機関が開票効率の全国順位を発表しており、人件費の節約や公務員の意識改革の点で注目を集める。前回衆院選で「日本一」となった菰野町選管の担当者は「速さにこだわらない。ミスなく終えたい」と万全を期して、二十二日の開票作業を迎える。 

 早稲田大マニフェスト研究所(東京)は、国政選挙や統一地方選を対象に開票作業の効率を調べ、従事者が一分間に処理した票数の平均を市区町村別にまとめている。「市区」と「町村」の二部門で比べ、同町は二〇一四年の衆院選で六・五七票、九百八町村の中で最も効率が良かった。

 「規模が小さいのが強みになっているかもしれません」。同町の担当者は控えめに話す。約三百人の職員のうち一割程度が開票にあたるが、人繰りの都合などで顔触れはほとんど同じこともプラスに。「開票を知り尽くしている職員が多い。ベテランから助言をもらうこともある」

 細かい作業に工夫も凝らす。一四年の衆院選以前は点検や仕分けなどを分業していたが、空き時間をなくそうと開票の流れを全員に覚えてもらい、担当外の作業を手伝える体制を整えた。

 イチゴ用のプラスチック容器も速さの秘密。投票用紙を仕分ける際にちょうど良い大きさで、容器を振ると中に入れた用紙がそろって作業しやすくなる。

 県外では開票効率に並々ならぬ気合を入れる自治体も。一一年統一選で全国一位だった長野県箕輪町は、選挙の度に開票の予行演習をしている。

 急転直下の解散による今回の衆院選だが、菰野町選管は簡単な説明会のみで事前準備を済ませた。担当者は「トラブルがないのが一番。その上で結果がついてくれば」と冷静だ。

(鈴鹿雄大)

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