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三重

比例、もう一つの戦い 無所属候補「与党以外で」

2017年10月21日 紙面から

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 衆院選(二十二日投開票)の選挙戦は残り一日。各候補は選挙区勝利を目指すと同時に、政党の浮沈がかかる比例票にも配慮。もう一つの戦いを追う。

 「大きい声で言えませんが比例は公明で」。1区で自民の田村憲久さんは公明への支持を訴える。「共産二万票をはね返すのは大変」。野党共闘の無所属松田直久さんに流れることを懸念。陣営は推薦を受ける公明票を「二、三万票」とみる。比例協力の代わりに選挙区票を得られれば「共産票を相殺して余りある」との見立てだ。

 松田さんは比例投票先を呼び掛けていない。共産、社民からも支援を受けるが、政党に関係なく政権批判票を集めたい考え。応援弁士が「こちらは比例復活がない。負ければ津から国会議員がいなくなる」と訴える。

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 2区で無所属中川正春さんの陣営は、選挙後に対与党で野党を結集したい考えから「与党以外」を勧める。陣営の一人は「有権者から聞かれた際は自公以外へ投票をお願いしている」と話す。

 自民の川崎二郎さんは「比例は公明に」と呼び掛ける。演説会で自民、公明系市議らの同席が多いが、国政の自公連携を前面に。陣営担当者は「相互協力は当然。安定した関係維持のため公明との協力は不可欠」とする。

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 3区で無所属の岡田克也さんは、民進から希望や立憲民主に分散した現状も考え「どちらとは言わない。両方」。陣営も「3区で自民候補を比例復活させない」ことを目指す。

 自民の島田佳和さんは演説会で比例投票先の表現を変える。3区自民候補で初めて公明推薦を受けたが、比例単独に回った党旧3区支部長の嶋田幸司さんに配慮するため。嶋田さんの支援も受ける島田さんは、公明主催の演説会では「比例は公明」と言い切るが、嶋田さんが応援に入る会場では「小選挙区は島田、比例は公明。選挙区で勝てば嶋田さんの比例当選の可能性が高まる」とする。

 共産の野村真弘さんは比例単独の中野武史さんをアピールし「東海ブロックで三人目を」と上積みを狙う。諸派坂本麻貴さんは「比例は幸福」と訴える。

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 4区で自民の三ツ矢憲生さんの陣営幹部は「比例は公明」と呼び掛ける。比例重複立候補を辞退し公明に配慮。陣営は「自民県連会長として本来『比例は自民』だが、選挙区で公明票を取り込みたい」と話す。

 希望の藤田大助さんは比例投票先に触れず「藤田大助という候補を応援してほしい」。応援弁士が「比例は希望」と呼び掛ける程度だ。陣営は「希望比例票は必要だけど、前面に出しすぎると印象が悪化しかねない」と悩ましげ。県内は希望入りせず無所属の候補が多く遠慮がみられる。

 共産の谷中三好さんは「比例は共産へ」。比例東海の名簿三位は県所属の中野さんで、三重初の共産の衆院議員誕生を目指す。

 (衆院選取材班)

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