三重
2017年10月15日 紙面から
(上から届け出順)
国土交通省の官僚だった十四年前、県南部は「しぼんでいっている」と危機感を募らせた。国の行く末にも思いを巡らせていた。「地域のため、国のためにできることを模索していきたい。ふるさとに恩返しができれば」。その一心で出馬を決意した。
五期目では、衆院の外務委員長を務め、昨年は地元で伊勢志摩サミットが開催された。「何年かに一回しか日本でやらない行事をやれた。知名度、ブランド力を高める効果はあった」と成果を語る。
一方で、「国内総生産(GDP)や有効求人倍率も高くなっているが、地方ではまだまだ実感できていない」と強調する。天候に左右される一次産業を安定化し、観光資源を活用することで、「地域を豊かにしていく」とビジョンを描く。
「三十年、五十年で考えたときにこの国をどういう方向に持って行くのか。未来を考えるのが政治家の役割」と言い切る。「おごらず、卑屈にならず、自分を磨く」が政治信条。だからこそ、今の政治に「謙虚さが足りない」とも感じている。
最近、iPod(アイポッド)を購入。シューベルトやモーツァルトなど好きなクラシックの曲を移動中に聴きながら、政治活動への英気を養っている。
(安永陽祐)
(1)好きな有名人=(帝国議会で反軍演説をした)斎藤隆
(2)好きな食べ物=豚骨ラーメン、カツ丼
(3)癒やしの時間=政治と関係のない本を読むこと
区割りが変わった4区で初めての共産の公認候補。当初の予定者が体調不良を訴えたのを受け、「今の政治は日本の危機だ」と立つことを決めた。
「自民に対抗するには野党候補の一本化が絶対に必要だ」と公言してきたが、民進の藤田大助さんが希望に移り参戦となった。国政選挙は二〇〇〇〜〇五年に三回立候補しており久々の挑戦になる。
京都産業大一年の時、京都の貧困地域を視察し、社会の矛盾を感じたことが、政治に関心をもった第一歩。貧しい人に寄り添う党の活動に参加するようになった。卒業後は県内で民主商工会や党の職員として共産一筋に活動してきた。
住居は津市にあり、三重4区の印象を「志摩や熊野古道など風光明媚(めいび)なところがたくさんある」と評価する。その一方で「地域住民の高齢化や、人口が減っていく過疎化は深刻になっている」と心配する。伊勢志摩サミットがあったが「経済面で本当に効果があったかは、時間をかけて見極めるべきだ」と慎重な見方を崩さない。
苦しい時に読み返す本は、ベトナム戦争の英雄の生涯を描いた「あの人の生きたように」。今回の立候補に当たっても、「ページをめくって気持ちを奮い立たせた」と語る。
(大島康介)
(1)好きな有名人=カール・マルクス
(2)好きな食べ物=トウモロコシやジャガイモ
(3)癒やしの時間=田んぼの世話
「今の政治は有権者から本音をぶつけてもらえていない」というのが持論だ。「地域の本音をたくさん聞いてきたからこそ、国政に届けることが僕の一番の使命」と熱く語る。
県議をしていた祖父の幸英さん、父の正美さんを見て、いつか政治をという思いを持っていた。民主党政権が誕生した二〇〇九年の衆院選で旧5区に出馬し落選したが、比例復活で政界入り。一期務め、一二年と一四年は落選した。
下野後の五年は「選挙区内の住民に生の声を聞く貴重な期間だった」。山間部や漁村など過疎地域を中心に言葉を交わした。店が減ったり、魚が取れなくなったり、「地方の疲弊はひどくなっている」と痛感した。都市や大企業中心の政策から、地方や中小企業、労働者に目を向けた政策への転換を訴える。
癒やしは「特に必要がない人間なんです」ときっぱり。趣味を聞かれても「強いて言うなら人との会話。政治に時間をささげている」。会話が気晴らしになり、政治への課題も拾っているという。初心に帰るため読むのは尾崎行雄の「民主政治読本」。伊勢を地盤とした政治の先人から学ぶ。子どもの頃は、祖母から「顔が黄色くなる」と言われるほど卵料理好きだった。
(青木ひかり)
(1)好きな有名人=源頼朝
(2)好きな食べ物=甘い卵焼き
(3)癒やしの時間=必要ない