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三重

有権者、その心は? 三重大落研、「選挙」お題に大喜利

2017年10月12日 紙面から

「選挙」をテーマに大喜利をする落語研究会の(左から)松本さん、谷さん、森場さん=津市栗真町屋町の三重大で

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 十日に公示された衆院選(二十二日投開票)。大学生は「選挙」をどうとらえているのか。「面白きこともなき世」に映っているのかもしれないが、せっかくの機会に、高杉晋作のごとく面白く考えてみるのはどうだろうか。定期的に「三翠(さんすい)大喜利」を開いている三重大落語研究会のメンバーに衆院選特別版として、選挙をお題に大喜利をしてもらった。

 名乗りを上げたのは、四年の谷一真さん(22)=人文学部=と一年の森場杏花さん(19)=同、一年の松本すみれさん(19)=同=の三人。若者はどうすれば選挙に関心を持つのだろうか。一つめのお題は「選挙に全く興味がなかった女子高生が、突然投票に行く気になった。どうして?」。

 会員制交流サイト(SNS)と絡めたネタが次々と出てきた。森場さんはすかさず「投票所がインスタ映えする」と、利用者自慢の投稿写真があふれる「インスタグラム」を引用。谷さんは、写真加工アプリ「SNOW(スノー)」でユニークな選挙ポスターにした候補に女子高生が興味を持って投票してしまうという独自の発想。許されるなら若者票獲得に有効かも。松本さんは「投票に行けば学校が振り替え休日になる」と、本音交じりの答えを披露した。

 森場さんはさらに「飲食店の無料券がもらえるチャンス!と宣伝する」を挙げた。「あげると言い切らないのが、引きつけるこつ」と考えた。これをヒントに野党は「政権を変えるチャンス!」と演説すればいいのかも。

 政権交代を目指しているのが、この選挙の台風の目とも言える「希望の党」。同党をお題に、大喜利の定番、謎掛けをした。

 谷さんは「希望の党とかけて(大相撲の)高安関」と解いた。その心は「どちらも小池/濃い毛が目立つ」。期待の大関はけがに苦しむが、小池百合子代表率いる党は白星を重ねられるか。

 森場さんは「十年来の友人」と解いて「時には裏切られることもある」。希望の党の印象は「今の雰囲気だけで行っている感じ」と、手厳しい。今の政局には谷さんも「一瞬目を離すともう全然分からなくなる」と困惑顔を浮かべる。

 最後のお題は「選挙とかけて○○と解く、その心は…」。

 時事ネタを数多く繰り出した松本さんは「美肌パック」と解いた。その心は「新党/浸透が良いかが気になる」。相次いで誕生した新党も、有権者に浸透できるかは何よりも気掛かりに違いない。

 読めない政局を反映してか、谷さんは「中高年」と解いた。その心は「大衆/体臭の反応に敏感」。変わりやすい秋空の下の衆院選で、有権者の心はどこへ向かうのか。解散後から揺れ動いた政局で、有権者には分かりにくい部分が多い。谷さんがこう締めくくった。「せめて、どの党が何を主張しているのかだけでも整理して投票に行きたい」

 (松崎晃子)

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