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三重

<○○候補はどんな人?> 1区

2017年10月12日 紙面から

 衆院選(二十二日投開票)が公示された。直前の野党再編などで政党や公約、訴えの内容が揺れ動き、有権者には分かりにくい選挙戦。それでも変わらないのが候補者の人柄や経歴。演説などからは見えてこない横顔を選挙区ごとに紹介する。

 (上から届け出順)

◆地方創生、ハートが必要 松田直久さん(63)=無前

 「そう突っ張ることなく、ありのままで」。還暦を過ぎたころから、そう考えるようになった。民進党が希望の党へ合流する中、無所属の道を選んだのも、「すかっと気持ち良く戦える道を選んだ」からだった。

 旧一志郡選出の県議を経て、合併に伴う二〇〇六年の津市長選で当選するなど、地方政治経験が豊富だ。「ここまで育ててくれた、きょうの津市にありがとう」。街頭演説でも自然と故郷愛がにじみ出る。県議時代は「なんで、紅白歌合戦は東京ばっかでやるんや。津でやってもええやないか」と言い、議場を沸かしたこともある。

 国政に舞台を変えても、目線は変わらない。国会議員として審議した国の決算は「地方では許されないアバウトさ」と指摘する。東京への一極集中が加速する中、地方創生に必要なのは「ハート」と言う。「ただ単に予算だけ配って勝手に使えなんてやっても、絶対に成功しない」

 初めての国会での仕事は多忙で、東京観光や好きなゴルフに行く暇もなかった。一息つけるのは地元に戻ったとき。なじみの店に飲みに行けば「おかえり」と迎えてくれる。ただ、健康にも気を使う年齢になった。「還暦を迎えて、お酒の量は少し減らしました」

 (吉川翔大)

(1)好きな有名人=大塩平八郎、司馬遼太郎

(2)好きな食べ物=お好み焼き、うどん

(3)癒やしの時間=ジムでランニング

◆困っている方に光当て 田村憲久さん(52)=自前

 出身地の松阪市は元衆院議長の伯父、田村元氏のお膝元。三十一歳で地盤を継承して七回当選。二代続けて六十年以上、地元の支持を受けている。

 区割り変更に伴い、新たに選挙区に加わった津市での選挙は初めてだが「地元意識は強いですよ」と笑う。高田中学校に通い、大学卒業後は約七年建設業で勤めた地。「会社帰りは同僚とよく飲みに行った」と振り返る。

 二十一年の議員人生の核は社会保障。第二次安倍内閣で厚生労働大臣を経験。現在も党の政策を練る中心人物だ。「困っている方に光を当てていくこと」が長年の政治信条。昨年は超党派で子どもの貧困対策を考える議員連盟をつくり、生活保護世帯の子どもが進学できる環境づくりに力を入れた。「高齢者が納得して人生を終えられる社会を」と在宅での介護・医療体制構築にも意欲を燃やす。

 仕事に情熱を注ぐあまり、近年は趣味を尋ねられて「政策を練ること。明けても暮れても財政と社会保障の持続性を考えている」と答えに窮する一面も。

 座右の銘は「我以外皆我師也」。「いろいろな人から、時には自然からも学ぶものはある。そういう思いでないと、勉強不足になる」と話す。家族は妻、大学四年生の長女。

 (作山哲平)

(1)好きな有名人=坂本龍馬

(2)好きな食べ物=もやしにポン酢

(3)癒やしの時間=自宅の部屋でウオーキング

主な政党の公約

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