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三重

民進前職3氏支持に温度差 労組は「歓迎」「拒否感」

2017年10月5日 紙面から

 衆院選で県内の民進前職三氏はいずれも無所属で出馬し、改憲を目指す希望の党を選ばなかった。民進候補を支援してきた県内の労働組合関係者は「これで支援がしやすい」と歓迎する一方、野党共闘復活で「共産党と同じ候補を支援することに拒否感がある」と本音も漏れた。

 連合の神津里季生会長は四日、衆院選で特定政党の支援を見送り、民進出身候補を個別に支える方針を表明。連合三重の吉川秀治会長も無所属の1区松田直久氏、2区中川正春氏、3区岡田克也氏と、希望公認の4区元職藤田大助氏を支援する考えを変えない。

 松田氏陣営幹部によると、護憲色が強い県教組や自治労の組合員らから、改憲や安保法制を容認する希望への反発の声が寄せられていた。自治労県本部の原田貴文書記長は「護憲なので、希望に合流するとどうしようかと思っていた」と胸をなで下ろす。

 県教組も安保法制反対に力を入れてきた。教組出身県議には、戦争を知る世代の元教員らから「なんで小池さんだ」と抗議電話が相次いだという。三日も退職者の一人から「立憲民主党がいい」と電話があり、無所属と伝えると「それなら応援できる」と納得してもらえたという。

 連合三重・民進系の県議会会派、新政みえの三谷哲央代表も「希望で出て従来主張との違いの言い訳をするより、無所属で信じる政策を訴える方がいい」。連合三重の吉川会長も「希望の政策協定書は政治家によっては歩んできた道から耐えきれない内容があった」と話す。

 だが、連合内は一枚岩でない。1、2区は共産が候補を取り下げ野党共闘復活の見通し。民間企業労組は共産への拒否感が根強く、希望から出るより反発が高まっている。

 共産と同じ候補を支援することに鈴鹿市で影響力が強い自動車総連系の県議は「労組幹部の中にはわだかまりがあるのは事実」と認める。別の民間系労組幹部も「共産とは国家観や労使関係への考え方が違う。無所属候補を推薦しても組合員の動員をかけない可能性はある」と説明する。

 こうした動きに吉川会長は「無所属の中川さんと松田さんは背水の陣。年齢的に最後の大勝負かもしれない」と話し、「与党議席を減らす大目的のため連合の推薦を重視してほしい」と求めた。

 (森耕一、吉川翔大)

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