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三重

筋通した/影響失う 岡田氏の無所属表明

2017年10月3日 紙面から

 民主党と民進党で代表など要職を歴任し、長年、非自民勢力の中心に立ってきた三重3区前職の岡田克也氏が、10日公示の衆院選を前に初の無所属出馬を表明した。地元では「原理原則を通した」と支持する声が上がる一方、自民前職らは「今後は影響力を失っていく」と冷ややかだ。

 都内での会見で岡田氏は、希望の党不参加の理由を「現憲法下で集団的自衛権行使は違憲」と、希望と自身の政策の違いを訴えた。

 昨夏の参院選では、民進代表だった岡田氏の決断で、集団的自衛権を容認する安保法制廃止を目指した民進、共産など四党の共闘が実現。橋渡しした市民連合みえの岡歩美さんは、安保法制容認の希望へ行かない決断を「岡田さんの判断は立憲主義を守りたい市民も勇気づける」と話す。

 初当選のころから秘書として岡田氏を支えた三谷哲央県議は「政治改革で二大政党を目指してきた問題意識はずっと変わらない」と話し、「選挙後には劇場型政治の対極にある岡田を望む声が必ず出てくる」と信じる。

 これに対し自民の三重1区前職、田村憲久氏は「自身がつくった民進や野党共闘が壊されたことに嫌気がさしたのでは」と同情する一方、「日本に必要なのは安定した保守政権だというのが現実だった」と語る。同じ3区出馬の自民前職、島田佳和氏も「この地域で三十年近く活動し無所属でも力がそがれる人でない。意識してもしょうがない」と自身の戦いに目を向けた。

 共産党の大嶽隆司県委員長は「筋を通した決断で理解できる」と評価した上で、3区は「共闘しなくても自民に勝てる」と同党の野村真弘氏を擁立する方針は変えない。

 岡田氏の後援会幹部の男性は「岡田氏は地元になくてはならない存在。今後も支援する」と決断を評価した。一方、四日市市内の萬古(ばんこ)焼業者の男性は「民進という党があったから業界に恩恵がある政策が得られた面もある。無所属になれば影響があるだろう」と不安も口にした。

 岡田氏は二日夜、桑名市で支援団体の集会に参加し、足早に会場を後にした。3区は諸派の坂本麻貴氏も出馬する。

 (衆院選取材班)

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