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三重

新地域への浸透急ぐ 選挙区拡大で各陣営

2017年10月2日 紙面から

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 衆院選(二十二日投開票)は一票格差是正で県内小選挙区が一減の四選挙区で初実施される。全選挙区が拡大する新区割りに、各陣営は「新しい地域はあいさつ回りもできていない」などと危惧。新地域への浸透を急ぐ。

■1区

 1区は津、松阪市の全域。津市は以前、中心部が1区、久居、一志地区が4区と分断されていたが解消。松阪市は全域が旧4区から1区となった。人口は津市約二十七万人、松阪市約十六万人だが、旧1区約十九万人、旧4区約二十三万人。自民田村憲久氏は松阪市拠点で旧4区で当選を重ね、民進松田直久氏は旧1区で二回出馬し、津市長などを経験した。

 田村氏は津市中心部に、松田氏は松阪市に初挑戦。新地域で田村氏は「まだ後援会ができていない」と話し選挙戦も津市の活動が多くなりそう。松田氏も先月松阪事務所を開き、新地域で労組など支援団体回りを急ぐ。

■2区

 2区は四日市市の一部と鈴鹿市、亀山市、伊賀市、名張市。旧2区の大半と旧1区の伊賀地区で構成。人口は旧1区約十六万人、旧2区三十二万人。閣僚経験者同士の対決で、自民川崎二郎氏は地盤の旧1区が津市と伊賀地区で分かれ、伊賀地区を選んだ。伊賀地区の倍の人口の北勢三市は中選挙区時代以来の選挙で、六月に鈴鹿市に事務所を構え企業などを精力的に回る。

 民進中川正春氏は旧2区で七回当選したが伊賀地区は初。「北勢の大票田を守ることも重要」としつつ頻繁に伊賀地区に入り民進支持者などを回る。

■3区

 3区は四日市市で中部、常磐、川島、桜の四地域が旧2区から3区に。旧3区が牙城の民進岡田克也氏はほぼそのままの地盤で活動。自民島田佳和氏は前回までの旧2区を川崎氏に譲り3区は全域が初。二十九日に桑名市に事務所を開いたばかりで浸透を急ぐ。

■4区

 4区は旧5区に多気郡三町が加わり、現時点の顔ぶれは自民三ツ矢憲生氏と民進藤田大助氏で前回と同じ。両氏とも初挑戦の多気郡を重点的に回る。

■揺らぐ構図

 民進が希望の党に合流を決めたが、民進各氏は希望、無所属のどちらで出馬するか未定。共産は民進などと野党共闘が成立すれば1、2、4区候補を取り下げる予定だったが、安保法制賛成などの希望に反発。民進候補が希望で出馬する選挙区は出馬方針に転じ1区中川民英、2区内藤弘一、3区野村真弘、4区谷中三好の四氏全員出馬の可能性もある。3区は諸派坂本麻貴氏も出馬する。

 (森耕一)

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