• 中日新聞ウェブ
  • 中日新聞プラス

三重

弁明、批判…それぞれの週末

2017年10月1日 紙面から

 衆院解散後、初の週末となった三十日、地元入りした前職や新人らは衆院選(十日公示、二十二日投開票)が迫る中、一人でも多く支持を広げようと選挙区割りの変更で新しく選挙区になった地域にも足を運んだ。合流で希望の党からの出馬を明言した民進前職は合流に理解を求めた一方、自民、公明や共産の候補予定者らは合流を批判した。

◆希望合流「情けない」 自民4区・三ツ矢氏

 4区自民前職の三ツ矢憲生氏は、比例東海に出馬する公明前職の中川康洋氏と街頭演説した。県出身の公明重鎮、坂口力元厚生労働相も応援に駆けつけ、民進の希望の党への合流を批判した。

 志摩市阿児町では支持者ら約三百人を前に、三ツ矢氏は「選挙に勝つため、保身のため看板を変え新しい党から出たい。人間として情けない」と非難。公明は県内の自民前職四氏の推薦を決める見通しで、三ツ矢氏は「自公政権を続けさせてほしい」と訴えた。

 中川氏も「民主政権誕生の二の舞いを起こしてはならない」と警戒。民進の動きを「同志を簡単に分断するような党に日本の社会を守れるわけがない」と強調した。

 希望は公明が三議席獲得を目指す比例東海のライバルになるとみられる。名簿三位の見通しの中川氏は坂口氏の元秘書。八十三歳の坂口氏は二日前に急きょ県入りを決め、引退以来五年ぶりの街宣車上で「軒先を借りて母屋を取るような党に日本を委ねてはならない」と訴えた。

 演説を聴いた志摩市大王町の小林匠成さん(67)は「これでも批判を抑えていた。合流はおかしい」と話した。

◆合流に理解求める 民進2区・中川氏 

 2区に出馬する民進前職の中川正春氏は三十日、区割り変更で新たに挑戦する名張市で街宣した。中川氏は希望の党からの出馬を明言しているが、準備が間に合わず「民進党」と記した街宣車で登場。「安倍政権の横暴を打倒するため、名を捨てて実をとっていく」と希望への合流理由を力説した。同市元町のイオン名張店前では、地元県議が区割り変更を説明し「中川正春という名前と顔を覚えて頂きたい」と呼び掛けた。

 中川氏は希望への合流について「政権を倒す選択肢をつくるため、野党がもう一回一つになっていく決断だ」と、演説時間の大半をさいて理解を求めた。

 三歳の息子と散歩中だった同市南町の三十代女性は「中川さんのことは今日初めて知った。自民に政権を任せても税金はどんどん上がる。とにかく安倍さんは嫌だから応援したい」と話した。

◆合流「市民裏切った」 共産2区・内藤氏、3区・野村氏

 共産党の2区新人内藤弘一氏と3区新人野村真弘氏は、党副委員長の田村智子参院議員と四日市市の近鉄四日市駅前で演説した。田村氏は希望の党に合流する民進前職らに「二年間築き上げたのは大義ある共闘ではなかったか。市民に対する裏切りだ」と非難した。

 野村氏は「市民と野党の共闘で頼りになるのは共産のみ」と強調。内藤氏も「解散は党利党略のための暴挙」と安倍政権を批判した。

 共産は野党共闘が成立した場合、内藤氏に加え1、4区も取り下げる予定だった。田村氏は取材に、県内全区で候補を立てる方針に転換したとし、民進の候補予定者が希望の公認を受けない場合は「共闘の可能性を個別に判断しできる限り支援したい」と述べた。

 (衆院選取材班)

主な政党の公約

新聞購読のご案内