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三重

新3区、選挙戦へ加速

2017年9月28日 紙面から

 衆院の選挙区割り変更で選挙区を失い自民にいったん離党届を提出しながら撤回した党旧3区支部長の嶋田幸司氏(43)は二十七日朝、旧2区から新3区に移った自民現職島田佳和氏(47)=比例東海=と共に桑名市の桑名駅前で街頭活動に立ち、融和をアピールした。一方、旧3区で二十年以上議席を守ってきた民進現職岡田克也氏(64)は新たに選挙区に加わった四日市市南部で二十六、二十七の両日、国政報告会を開き支持拡大を図った。

 「おはようございます。いってらっしゃい」。通勤者らに手を振る島田氏。隣に嶋田氏の姿があり、その表情は少し硬かった。

 嶋田氏は八月に旧3区支部長を退き、九月に県内各候補を支援する衆院支部長に就任。だが、当初県連から容認された政治活動の自粛を求められたことに反発し、十三日に離党届を提出。その後三ツ矢憲生県連会長から慰留され、二十四日に取り下げた経緯がある。

 二十七日の連携は、取り下げを受け島田氏から協力を呼び掛けた。二人は二十六日に同市内で面会し選挙戦の協力態勢も確認した。

 島田氏は「三年近くこの地域で活動してきた嶋田さんの支援は大きな力になる」と期待。今後は旧3区内に残る嶋田氏のポスター張り替え作業や選挙中の応援弁士を依頼する。

 嶋田氏は「近い支援者から(島田氏を応援することに)反発もある」としつつ「島田さんの要請に従い応援したい」と話した。

 一方、岡田氏は二日間、新たに3区になった同市内の四会場で国政報告会を開催。急な解散風を受け一週間ほど前に急きょ予定を組み込んだ。

 「ただいま帰ってきました」。冒頭こう切り出した岡田氏は中選挙区時代に二度、今回の新選挙区を含む旧三重1区から出馬し当選している。「多くの人から『お帰りなさい』と言われる。時間はないがしっかり認知度を高めたい」と述べた。

 二十六日の常磐地区市民センターの報告会には約百七十人が参加。岡田氏は「何のための解散か分からない」と批判。森友、加計問題について「(首相は)堂々と説明すべきだ」と指摘した。

 岡田氏は公示後、他候補応援で全国を回る予定で、地元入りは二日間ほどの見込み。島田氏に対し「自民としての地盤があり侮れない」と引き締める。

 3区はこのほか共産新人野村真弘氏(61)、諸派新人坂本麻貴氏(33)も出馬予定。

 (曽田晋太郎、大西里奈)

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