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三重

自公で受け止め割れる 「小池新党」発足の影響

2017年9月27日 紙面から

 小池百合子都知事が代表に就く新党「希望の党」が衆院選の構図に影響を与える可能性が出てきた26日、県内の自民党幹部が「選挙後に一致できるところは協力すればいい」と好意的に受け止める一方、公明党側は「勢いだけの政党に民意が流れることは危うい」と批判を強め、与党の反応が分かれた。

 自民県連の中森博文幹事長は、小池知事の動きを「頑張っているなあと感じる」と評価。新党が改憲を公約に盛り込むなど自民に近い点も「結構なこと」。七月の都議選で自民が都民ファーストの会に大敗したことにも「都議会自民にはおごりもあった」と述べ、「もし新党が三重で候補を立てれば戦わざるを得ないが、選挙後に協力できる点はあるのでは」と述べた。

 公明はその都議選で都民ファーストと連携しており、県本部の今井智広幹事長は「小池さんは都政改革に専念すべきだ。両立は難しい」と批判する。

 公明は比例東海ブロックで三議席獲得を目指しており、名簿三位は県本部代表で現職の中川康洋さんの見通し。新党に参加する細野豪志衆院議員は静岡県が地元で、河村たかし名古屋市長の参加も取りざたされている。今井幹事長は「比例東海に少なからぬ影響がある」と危機感を募らせ、「既成政党が不満だからと、政策も理念も見えない人気だけの党に有権者が流れることがあってはならない」とけん制する。

 一方、民進も、前原誠司代表が小池氏に近く、連携に期待を見せるなど新党との距離が定まらない。三谷哲央県連代表代行は「まだ政策が見えずいいとも悪いとも分からない」と評価を避ける。衆院選に向けては「新党は東京周辺だけ。三重で共産、社民、自由との連携は参院選でも実績がある」と述べ、野党連携を早くまとめたい考えを強調した。

 共産の大嶽隆司県委員長は、新党を「維新と同じような自民の補完勢力だ」と連携を明確に否定。都議選では共産も議席を増やしており「新党の共産への影響は限定的」と分析する。県内の野党共闘は1、2、4区で民進候補への一本化を実現したい考えを繰り返した。

 (森耕一)

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