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三重

前進決意/無理やり 解散表明で県内与野党

2017年9月26日 紙面から

 安倍晋三首相が二十八日に衆院を解散することを表明した二十五日夜、子育て世代への投資や社会保障の充実、北朝鮮への圧力強化などを訴えた首相の発言に、県内の与党幹部が「子どもや若い世代に配慮した重要な前進」と評価した。一方で野党側は「大義なく無理やり解散を打った」と批判を強めた。

■消費税の使途

 安倍首相は高等教育と幼児教育の無償化などを目指し、消費税10%への増税分を財源に充てると説明した。自民の三ツ矢憲生県連会長は「子どもの教育への配慮はずっと自民党が言ってきた」と強調しつつも、財政再建は遠のく可能性が高いため「首相は経済成長で賄う考えだが、財源の議論はもう少し詰めないといけない」と語った。

 一方、民進の芝博一県連代表は「まるっきり民進党の政策のパクリだ。自民党内ではそんな議論はしていなかった」と批判。共産の大嶽隆司県委員長も「消費税を社会保障に回すという自民党の約束はずっと守られてこなかった」と手厳しい。

■北朝鮮

 対北朝鮮政策では首相は「対話の努力はことごとく裏切られてきた」と圧力強化を主張。芝代表は「トランプ米大統領と歩調を合わせているのだろうが、けんかをしているだけ。圧力と対話を両輪にしないと対立をあおるだけだ」と訴えた。

 これに対し、自民で1区の田村憲久さんは「圧力をかけるのは対話を拒む北朝鮮を対話の場に出すため。戦争をしたいのではない」と首相を擁護。公明の中川康洋県本部代表も「北朝鮮が日本にとっての脅威なのは事実。今こそ安定した政権が必要だ」と述べた。

■解散の大義

 首相は北朝鮮や少子高齢化対策などの国難に立ち向かうと強調。自民の島田佳和さんは首相の説明を支持し「北朝鮮や経済政策で国民の信任を首相に託す選挙だ」と強調し、新たに挑む3区で「皆さんのために働けるようしっかり勝ち抜きたい」と決意する。

 一方、首相が「森友、加計問題を丁寧に国民に説明してきた」と述べたことに共産の大嶽委員長は「疑惑はたなざらしのまま。憲法にも触れず、ひどい会見だ」と反発。身内の三ツ矢会長も「森友、加計は総理自身が丁寧に説明をするしかない」と注文を付ける。

 民進で4区に出馬する藤田大助さんは「急ごしらえの政策で、勝てるからと無理やり解散を打った」と指摘し、「国政で仕事をしたい」と力を込めた。

 (森耕一、曽田晋太郎、青木ひかり)

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