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三重

新選挙区「初めまして」 前哨戦が本格スタート

2017年9月19日 紙面から

 来月の衆院選が濃厚となり、台風が過ぎ去った十八日、県内の候補予定者らは区割り変更で新しく選挙区となった地域を中心に、早くも活発に支持者やイベント回りなどを加速させた。選挙に向け事務所確保にも着手し、前哨戦が事実上始まった。

■1区

 「初めまして。選挙区が変わってこちらに来させてもらいました」。自民党の田村憲久氏は、津市北部で敬老会が始まる前、会場の隅々まで歩いて頭を下げた。選挙戦も津市中心部の活動が中心になる見通しで、「まだ選挙区変更を知らない方が多い」と危機感をにじませた。

 民進党の松田直久氏は汗をぬぐいながら、後援会幹部らを次々に訪問。過去二回は維新からの出馬だった。今回、民進は厳しい状況。「これまでは個人での戦いだったが、今回はさまざまな団体にお世話になる。短期決戦だからまずは組織を固めないといけない」

■2区

 民進の中川正春氏は伊賀地区で故中井洽氏の元後援会幹部らを訪ね「初めてで分からないことばかりです」と頭を下げた。伊賀での知名度不足は感じているが「加計、森友隠しがおかしいと感じる無党派層がいる」とターゲットを定める。

 自民の川崎二郎氏は予定されていた支持者回りを精力的に続けた。秘書は「細かく回って支持を固めていくやり方でずっとやってきた」と得意の戦法を貫く。大票田の鈴鹿市などでの選挙事務所確保にも動きだした。

■3区

 民進の岡田克也氏は党務で東京に。解散の動きには「国民無視も甚だしい。加計、森友問題隠しと言われても仕方がない」とコメントする。秘書は「最近は月の半分は地元で、企業回りやミニ集会を続けてきた」と積み重ねをアピールする。

 自民の島田佳和氏も以前から決まっていた予定があるため東京で過ごし「自分の名前を広めることが重要。早く地元に戻りたい」と話す。十九日は自民支持者へのあいさつ、桑名事務所開設、ポスター貼りなどを進める。

 自民に離党届を提出した嶋田幸司氏も十六日に日本ファーストの会の政治塾に参加し、そのまま東京に。若狭勝衆院議員らによる新党への参加は「可能性のひとつ」と述べ、3区から出馬するか情勢を見極めている。

■4区

 自民の三ツ矢憲生氏は選挙区に加わった多気郡で、これまで選挙区だった田村氏の後援会の引き継ぎに回った。秘書は「今後は全くの白紙。ポスターやリーフレット、選挙事務所など何から何まで全部やらないといけない」と焦りがにじむ。

 民進の藤田大助氏も多気郡に。「解散の気配が数日前から出ていたので新地区での支援者回りを決めた」と話す。後援会関係者と選挙に向けて打ち合わせもした。「普段より時間のない選挙。時間配分を考えて効率的にしないといけない」

 (森耕一、曽田晋太郎、安永陽祐、吉川翔大)

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