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三重

県内、新区割り確定 各党、戦いの火ぶた

2017年6月10日 紙面から

 衆議院の一票の格差是正のため、県内の小選挙区を5から4に減らす改正公職選挙法が、9日成立した。周知期間を経て7月16日以降の衆院選から適用され、4選挙区時代の幕が開く。自民党はまだ候補者が決まらない一方、民進党は内定した候補者らが新選挙区で動き始める。両党と公明、共産党の県代表に、新時代の動き方を聞いた。

◆党本部とさらに調整 自民・三ツ矢憲生会長

 −新1区田村憲久氏、新2区川崎二郎氏となるとの見方が強い

 法律が通ったので県選出の各議員とよく相談をして、党本部と調整を始める。まだ具体的なことは言えない。県内では現職が四人いて選挙区が四つだが、単純に当てはめるという訳にはいかない。旧2区の島田佳和さんも、これまで活動していない新3区に移るとは、簡単にはならない。比例優遇を求めるかも含め、今後検討しないといけない。

 −民進党は既に候補者を決めている

 新選挙区の支部長を決めないと政治活動ができないので早く決めたい。来週にも党本部の古屋圭司選対委員長に三重の要望を伝えたい。ただ、三重だけならそれほど時間はかからないかもしれないが、六県で選挙区が減り、かなり調整が難しい県もある。もうしばらく時間がかかるだろう。

 −三重の選挙区が減ることへの思いは?

 人口が減っているからと単純に国会議員を減らすと、議員と地域のつながりはますます希薄になる。災害時に国会議員はフル回転する必要があるが、広範囲を回るのは大変だ。

 −自身は新4区?

 ずっとやってきた伊勢志摩、東紀州に対するこだわりはある。

◆確定の4人、活動開始 民進・芝博一代表

 −先月、すでに候補者を内定し、自民を一歩リードしている

 今月中に党本部に正式に公認申請する。すでに水面下で四人とも動いている。

 特に選挙区が変わる地域では、連合三重などの支援団体や企業へのあいさつ、引き継ぎを始めている。法案が通ったので、表だった街頭活動も始めることになる。

 −新1区の松田直久氏は松阪市が初挑戦になる

 松田さんは旧一志郡選出の県議だったので、現在の松阪市北部にはつながりがある。人口比で見ると津は松阪のほぼ二倍。津市長でもあったので、相手は強敵だが戦える。

 −新2区の中川正春氏は伊賀、名張市が加わる

 伊賀は確かに川崎さんが強いが、故中井洽さん(旧民主党)にも多くの支持者がいた。この方々は応援してくれると思う。中川さんは守ってきた鈴鹿、亀山、四日市をしっかり固めて伊賀を攻める。

 −民進が強い三重で勝つことが、党勢回復に欠かせない?

 岡田克也さんの3区は安泰だと思う。1、2区も負けていない。問題は保守地盤の強い4区だが、候補者は藤田大助さんに決まったので、地方議員、支持団体も一体になって戦いたい。

◆自公協力を続ける

 <公明党県本部代表・中川康洋衆院議員の話>

 公明は三重の小選挙区に候補者はいないので、今まで通り良好な自公協力を続けていく。前回選挙は1、4、5区の自民候補に推薦を出した。今後も個別に判断していくことになるが、基本的には候補者が代わる地域でも、これまで通り支援していく。

 自民の候補者調整が難しいことは理解できる。決定を待ちたい。

◆野党共闘に積極的

 <共産党県委員長・大嶽隆司氏の話>

 現在は旧1〜5区に候補者がいるが、10日に会議を開いて新1〜4区の候補を決め、党中央に申請したい。

 昨年の参院選では野党共闘がうまくいった。共産党は今後の共闘にも積極的な考えだが、まずは野党各党の本部で話がまとまらないといけない。そうなれば、候補を取り下げるところも出てくるだろう。

 (森耕一)

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