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石川

三つどもえ 聞き比べ 石川3区ルポ

2017年10月19日 紙面から

 投開票が間近になった衆院選。緊迫する北朝鮮対応にどんな解決の道筋を示すか。希望への合流に十分な説明はあるか。18日、秋風吹く石川3区で候補者たちの訴えを聞いた。有権者の「知りたいこと」より自分の「伝えたいこと」。終日追い掛けると、そんな姿が浮かんできた。有権者は納得して22日に一票を投じられるのか。(上から届け出順)

北朝鮮問題には触れず 

自民・西田さん

 自民新人の西田昭二さん(48)は、石川県かほく市と内灘町の13カ所で演説。計約50分間だったが、北朝鮮対応に触れず、出馬経緯や決意に時間を割いた。

 演説を聴いた内灘町の太村邦雄さん(80)は「国会議員になるのなら国政のことを言ってほしかった」。取り組んでほしいことに北朝鮮対応を挙げ「明日どうなるかも分からない喫緊の課題なので、話してほしかった」と語った。

 「夜の集まりで話してくれるだろう」との声も数カ所で聞かれたが、内灘町文化会館で開かれた総決起大会でも言及はなかった。

 西田さんは「能登町では大和堆(たい)の不審船問題について強い対応をしていく。(演説では)各地域の課題を話すようにしている」と説明した。 (松村真一郎)

希望の公約を口にせず

希望・近藤さん

 希望元職の近藤和也さん(43)はこの日街頭演説せず、選挙カーから声を上げたり、支持者に握手を求めて走り回ったりした。夜の個人演説会では約30分間、決意を語ったが、希望の党のことを口にしなかった。

 同県志賀町で近藤さんに手を振っていた主婦(76)は「応援しているけれど希望に行ったのが残念。憲法や安保法制について違いがある気がする。立憲民主党や無所属で出馬した方が良かったのでは」。

 近藤さんは取材に「多くの地域を回ることを優先したため(党について)時間を割くことができなかった」と説明。「憲法9条改正は反対だが、議論はしても良い。安保法制は違憲部分は修正するべきだ。党の公約との整合性は取れている」と語った。 (武藤周吉)

憲法9条守る 唯一主張

共産・鈴木さん

 共産新人の鈴木宏太さん(36)は同県羽咋市と宝達志水町の24カ所で街頭演説し、マイクを握ったのは計168分間。夜の個人演説会で15分間訴えた。

 街頭演説は1カ所で平均7分前後。「憲法9条を守れと言っているのは3区では私、鈴木宏太だけ」「活断層の真上にある志賀原発は廃炉に。再生可能エネルギーへの切り替えを」と、消費税増税反対も含めて主張を繰り広げた。

 畑作業の合間に演説を聞いた羽咋市の70代男性は「共産党の政策で生活は良くなるかもしれないが、北朝鮮など国際的な問題に対処できるのは自民党かな」と。同市の別の男性(68)は「わがままな自民党に一度ガツンとやってほしい。共産党に期待はしている」と語った。 (小塚泉)

主な政党の公約

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