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石川

立候補者の志を聞く 2区

2017年10月13日 紙面から

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共産新人 本田(ほんだ)正和(まさかず)さん(68)

反戦、子孫へ伝える

 第二次世界大戦の最中にも反戦を訴え、その信念を貫き通した共産党。「戦争に反対した唯一の政党であったことに感動した」。コマツ粟津工場に勤務していた十九歳の時、知人からの勧誘もあって入党した。「正面から党のことを訴えていきたい」と約四年後には専従職員になった。

 最近は二歳の孫にめろめろ。「子や孫を戦場に送らない」。孫の笑顔を見るたび、入党時から持ち続ける反戦平和への思いを一層強くしている。

 活動の原動力は住民から寄せられる思いも。最近、憲法九条改正や消費税増税に反対する声が大きくなっている。なのに「安倍政権では民意がないがしろにされている」。国民の声を反映した政治が必要だと昨年十二月、出馬を表明した。

 「貧乏で大変、死ぬまで大変」。街頭演説を聞いていた年配の女性が放った言葉が頭から離れない。消費税増税をやめ、福祉や教育、子育て支援などを重視する「暮らし最優先の政治の実現」に使命感を抱く。

 温和な性格。「自説を通す人がうらやましい」と笑うが「長所でも短所でもある」と自負する。だからこそ丁寧に住民の声を拾い続けている。 (竹内なぎ)

 【メモ】▽政治信条 「住民の生の声を聞く」。たとえ他の党の支持者であっても、今生活している、生きている人の思いを聞くことが大切▽尊敬する政治家 特になし。自分は自分の職責を全うする

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希望新人 柴田(しばた)未来(みき)さん(46)

貧困と格差なくす

 「壁があると蹴破りたくなるタイプ」。大学時代に女性が結婚や出産で仕事を離れる社会に息苦しさを覚え「自ら人生を選ぶため」に弁護士資格を取った。

 強行成立された安全保障関連法廃止を訴えた昨夏の参院選は落選。一度は政治家の道を諦めたが、森友・加計問題に十分な説明がない解散は見過ごせない「不正義」に映った。「今一番蹴破りたいのは安倍政権」

 矛先は地元選出の国会議員へも。北朝鮮のミサイルや外国漁船の違法操業は県内に脅威を与えている。「なのに、解散している場合でないと地元の立場で訴える議員はいない」と嘆く。

 弁護士として離婚や少年事件に関わり、地域の子どもに食事を提供する民間の「こども食堂」に携わってきた。多くのシングルマザーらに接する中で痛感したのは格差。「世帯所得を上げないと貧困は解消しない。女性の労働環境整備や、正規、非正規雇用の格差是正に正面から取り組まなければ」と訴える。

 四年前、通勤ラッシュに嫌気がさして金沢へ。文化と知性が息づく風土に魅了された。「物事を分析、仕分けする男性脳」と自ら話す通り、弁は滑らか。息抜きは焼酎。

  (吉野淳一)

 【メモ】▽政治信条 「日本を、リセット」。支持率を上げることしか考えられない恥ずかしい政権から、当たり前のことが当たり前に行われる政治を取り戻す▽尊敬する政治家 西郷隆盛。無私の人だから

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自民前職 佐々木(ささき)紀(はじめ)さん(43)

有権者の声を形に

 二〇一一年の東日本大震災。テレビで寒々しい映像が流れる中、南加賀地方からも支援物資が行政に集まった。あふれる物資を自らが携わる青年会議所のネットワークで避難所まで届けた。「やればなんでもできる」。自信になったと同時に、被災地でのボランティア活動の制限にもどかしさも感じた。「行政の手が届かない国民のニーズを捉え、形にしていく」と議員の道を選んだ。

 一二年の初当選から南加賀に多い中堅企業の育成に力を入れてきた。地域経済の中心企業を支援する地域未来投資促進法案が今年の国会で通り、「ようやく中堅企業に光が当たってきた」と手応えを感じる。

 大学まで続けたバレーボールの腕は「鳴かず飛ばず」。途中から審判に目覚めた。いかに両チームの選手、観客を納得させ、試合を盛り上げるか。「選手も観客も納得感のある試合は難しい。さまざまな意見がある中で結論を見いだす政治活動にもつながる」

 関わってきた北陸新幹線は大阪延伸ルートが決まった。「早く道筋をつけるため、予算をどう確保するか議論していかないといけない」と三期目を見据える。

  (谷大平)

 【メモ】▽政治信条 「一直線」 ドラマ「柔道一直線」の脚本家で、おじの佐々木守からもらった色紙の言葉▽尊敬する政治家 尊敬というわけではないが、田中角栄さんのような庶民目線の政治家を目指したい

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諸派新人 宮元(みやもと)智(さとし)さん(57)

自分の手で国守る

 「政治は社会を変える力を持つ。だからこそ信念を曲げず有権者に政策を訴えていく」。幼少期に過疎化の進む故郷が政治の力によって、活性化していく姿を目の当たりにした。

 旧鳥越村(現白山市)出身。十歳のころ、当時の村長が人口約三千五百人の小さな村に多くの観光客を呼び込もうと村営スキー場を造った。

 スキー場の周辺には宿泊施設が立ち並び、冬のシーズンの週末になると約七千人が訪れるようになり、以降、政治家として人々を幸せにしたいと思うようになった。

 国政選挙への挑戦は四回目。「自分の国は自分で守る」とずっと主張してきた。核兵器やミサイルといった北朝鮮の脅威が高まっているのを受けて「非核三原則の撤廃」「北朝鮮への憲法九条適用の除外」などを訴えている。

 「対話では現状を打破できない。核の抑止力によって北朝鮮の暴走を止めないと」

 趣味は読書。司馬遼太郎さんの歴史小説が好きという。最近は忙しくてなかなか読む時間がなく、息抜きもできないが「『頑張って』『応援しています』といった沿道からのエールが日々の活力」と話す。 (冨田章午)

 【メモ】▽政治信条 「自由の創設」。国民が自由を享受でき本当の喜びを感じる国をつくる▽尊敬する政治家 米国のジョン・F・ケネディ大統領。キューバ危機で発揮した強いリーダーシップを見習いたい

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