石川
2017年10月5日 紙面から
討論会に臨む立候補予定者=4日、石川県小松市大島町で |
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衆院選(十日公示、二十二日投開票)の石川2区で立候補を予定する四人を招いた公開討論会が四日夜、石川県小松市であった。自民前職の佐々木紀さん(42)、希望の党から公認された新人の柴田未来さん(46)、共産党新人の本田正和さん(68)らが「社会保障政策」「安全保障政策」「憲法改正」をテーマに議論した。
消費税増税を財源とする社会保障政策を巡り、佐々木さんは社会保障費が毎年一兆円増える現状を指摘。「消費税に頼らざるをえない」として、増税分で「二〇二〇年までに幼児保育の無償化に取り組む」と訴えた。柴田さんは、弁護士として一人親家庭に接した経験から「シングルマザー世帯の所得の向上を図る施策が求められている」と主張。本田さんは「富裕層や大企業から応分の負担をしてもらう」と述べた。
憲法九条を巡っては、佐々木さんは「憲法学者の六割以上が自衛隊を違憲としている」として自衛隊を九条三項で明記する「加憲」の必要性を強調。柴田さんは「(加憲では)自衛隊が置かれている状況は変わらない。根本的な議論が必要」と提言した。本田さんは「前文、現憲法の条文を守り活(い)かしていく」との考えを示した。
諸派・幸福実現党新人の宮元智さん(57)も自主憲法の制定などを主張した。
公開討論会は、日本青年会議所石川ブロック協議会が主催。約二百人が耳を傾けた。石川1、3区では候補予定者の日程調整がつかないことから開かれない。
(谷大平)
石川県議会会派「未来石川」(七人)は六日の議員総会で、希望の党から出馬する石川1区の田中美絵子さん(41)、2区の柴田未来さん(46)、3区の近藤和也さん(43)を推薦する方向で話し合う。
四日には、希望の柴田さんが県議会庁舎の執務室を訪ね、金原博顧問、石坂修一会長、吉田修幹事長に一次公認されたことを説明し、金原さんから「やるしかない」と激励された。本紙の取材に柴田さんは「先輩の皆さんに公認されたことを報告し、身の引き締まる思い」と決意を語った。
石坂さんは、一九九三年に自民党を離れて新生党結成に参加して以来の未来石川の歴史、系譜を説明。「政権交代できる二大保守政党による健全な国政を目指してきた。希望の結党で、それが近い形になった」と強調。三人そろって希望に公認されたことを踏まえ、推薦する意向を明かした。
未来石川は昨年七月の参院選石川選挙区では柴田さんを応援した。
一方、未来石川に所属する社民党県連代表の盛本芳久代表は取材に「三人を推薦するという話には乗れない」としながらも「推薦を積極的に反対することはない。会派の決定には従う」と述べた。社民県連は「希望が改憲勢力になる可能性がある」などとして三人の推薦の手続きを見合わせている。
六日の議員総会では、未来石川は、来春の知事選で全国最多の七選を目指す谷本正憲知事(72)=無所属=の推薦を決める。 (沢井秀和、蓮野亜耶)