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石川

北村氏が不出馬表明 自民・石川3区「世代交代が必要」

2017年9月21日 紙面から

会見を終え、会場を後にする北村茂男衆院議員=20日、石川県庁で(吉野茂之撮影)

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 自民党の北村茂男衆院議員(71)=石川3区=が二十日、来月二十二日の投開票が濃厚な次期衆院選に出馬せず、引退する意向を明らかにした。北村氏は「十、二十年先を有権者と語り合う世代も重要だと考えている」と述べ、世代交代の必要性を引退理由に挙げた。(次期衆院選取材班)

近づく衆院選 突然の波紋

 石川県庁の県政記者会見室で会見した北村氏は「体力の上では注意をし、過敏にならざるを得ない年代を迎えている」と年齢の問題も挙げた。二〇一四年の前回選で七万一千票余りを獲得し勝利したが、民進党県連代表の近藤和也氏と約六千四百票差だった点に触れ、「民主(現民進)と共産が連携すれば、勝てない選挙区になるかもしれないと言われた。前回の状況を大きく変えることができたかと問われれば、そうですと確信を持って答えることはできない」と述べた。「選挙は片時も脳裏から離れたことがない。動揺もあれば、迷いもある三年間だった」と振り返った。

 十七日朝に衆院解散、総選挙が濃厚となったとの報道を知り「早く答えを出すべきだと思った」といい、十九日朝に県議団に意向を伝えた。県議からは「唐突に何だ」「無責任だ」と言われたと明かし、「当然のお叱りで申し訳ないと思っている」と話した。後継候補については「地域の人の切なる声を受け止めてくれる政治家像を期待したい」と述べるにとどめた。時折、涙を見せ「多くの方に支えていただき、有意義な十二年間だった」と感謝した。

 北村氏は同県輪島市出身。県議七期途中の〇五年の衆院選で初当選。総務政務官や環境副大臣などを務め現在四期目。

後継選び 急務に

 「能登で議席を失うことはあってはならない」。北村茂男氏の突然の引退表明を受け、石川3区の自民県議たちが後継候補の絞り込みに向けて走りだした。期限は二十八日が想定される衆院解散前の二十六日をめどとしている。

 「能登は保守の偉大な政治家を輩出してきた。私の時代に汚点を残すことはできない。少子高齢化など諸課題を抱える古里の将来を気鋭の人に委ねたい」。北村氏は会見で、議席を守るための苦しい判断だったと明かした。

 3区はこれまで事実上、北村氏と民進党県連代表の近藤和也氏との戦いだった。民主党による政権交代があった二〇〇九年は、近藤氏が再選を目指した北村氏を約二千二百票差で破った。一二年と一四年は北村氏が勝利したが、次も厳しい選挙戦が予想されていた。

 県議たちが後継候補として早々と名を挙げるのは、能登地方の若手県議、北村氏の親族、前回衆院選で比例代表北陸信越ブロックの単独候補となった三十代の男性弁護士らだ。

 「どの人も一長一短だ」。3区のある自民県議は話す。知名度や地元との関係、本人の意向など不安要素はぬぐえないという。別の県議も「3区は広い。何期も務めた県議でさえ覚えてもらえていない。なかなか厳しい」と漏らす。

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