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石川

七尾市議選 同日の可能性 ダブル負担 選管ピリピリ

2017年9月20日 紙面から

 衆院選は十月二十二日投開票の可能性がある。同日に市議選の投開票を控える石川県七尾市や富山県高岡市では、市選管が人員配置変更などの対応を始めた。突如の解散論は地方選挙にも影響を広げている。

 「ミスがないか不安」。七尾市選管の担当者が明かす。今月五日、市職員に市議選投開票日の人員配置を発表。だが、ダブル選の可能性が浮上し、連休明けの十九日に対応策の検討を余儀なくされた。担当者は「(選挙が)重なることを想定して動き始めている」。

 七尾市の場合、市議選と国政選挙の日程が重なった前例はないという。懸念しているのが、期日前投票時に投票券のバーコードを読み取り、投票者を把握するパソコンのシステムだ。

 ダブル選に対応しておらず、国政、地方でそれぞれ交付される投票券の片方を読み取ると、もう一方も投票したとみなされる恐れも。開発メーカーに確認しているものの「一方は手作業で確認することになるかも」と焦りを隠せない。総務省選挙部管理課の担当者は、同様の事例が過去にあったかは「把握していない」とした上で「仮に同日選挙になった場合は、万全を期してほしい」と話した。

 高岡市選管は十九日、ダブル選を想定し、投票箱数の確認や投開票所に配置する職員数の計算など対応を始めた。担当者は「二回が一回で済むので立会人報酬など経費は軽減できるが、投開票の態勢づくりなどの検討がいる」と話す。

 投票用紙は市議選と衆院選(選挙区、比例区)、国民審査の四枚。担当者は「書き間違いになるので用紙四枚を一度に渡せない。投票箱や記載台も数がいる」と指摘。投票箱の不足分は購入予定という。

 一方、十月二十九日投開票の場合、市議選の日程を一週間遅らせ、投開票日を二十九日に合わせることも検討する。開票を同時刻にし、進行状況により人員を配分することも想定。だが担当者は「結了は遅れる。会場の広さも問題」。期日前投票も選挙期間の途中で重なり、混乱を懸念する。

 市議選に立候補予定の現職議員は、ダブル選の相乗効果による投票率アップを期待しつつ、つぶやいた。「衆院選の立候補者の応援までは回れない」 (松村真一郎、武田寛史)

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