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岐阜

悪天候予想、初の半数割れ危機 22日の投開票へ投票率向上へ陣営躍起

2017年10月21日 紙面から

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 衆院選は22日に投開票を迎える。気になるのは、2014年の前回選挙で戦後最低の52.92%にまで落ち込んだ投票率。秋の観光シーズン真っただ中の選挙だが、当日は台風21号の接近で悪天候が予想される。初の「半数割れ」は回避できるのか。

■台風が接近

 「二十二日はなるべく、早い時間に投票を済ませていただきたい」と願うのは県選挙管理委員会。岐阜地方気象台によると、台風21号の影響で県内の二十二日は雨で、特に午後からは強まる見込み。

 予報を受け、県内の市町村は二十日、広報無線などで期日前投票の利用などを呼び掛け始めた。災害時の避難所に指定されている投票所もあるが、県選管は「同じ施設でも、投票するのと別の部屋であれば、避難しても問題ない」と説明する。

 最低の投票率となった一四年の投開票日は、県内は雪だった。一方、今回とほぼ同時期にあった一九九六年は晴天ながら、九三年の73・85%から10ポイント近く低下。レジャーに適した好天が逆に、投票行動につながらなかった可能性がある。今回の候補の一人は「小雨ぐらいだったらありがたい。晴れると逆に出掛けてしまう」と話す。

■陣営の思惑は

 一般的に、投票率が低ければ浮動票が動かない分、組織力の高い候補が有利とされる。ただ、ある自民前職の陣営は「例え勝っても、票が少ないと信任を得たことにならない」と気をもむ。

 自民の別の陣営幹部は、当選後の役職をにらんで「圧倒的な票が必要」と強調。総決起大会では、選挙区内の過去の投票率が隣の区より低いと指摘し、「2、3ポイントでも勝ちたい」と地域間競争をあおった。

 無党派層が頼りの野党陣営はさらに、関心の向上に躍起。希望元職の選対幹部は「投票率を上げるのが選挙の目標」と言い切り、演説会のあいさつでも「投票率」という言葉を連呼しているという。

■頼みは10代?

 今回、初めて衆院選に参加する十八、十九歳の有権者は約四万人。県選管は今月初め、県内の高校、高等特別支援学校など計約百校の三年生約二万三千人に、「新有権者のみなさん」に宛てたパンフレットを配った。

 衆院選に関係なく作成を進めていたが、偶然にも、解散とほぼ同じタイミングで刷り上がった。県選管は「若い世代の思いを反映させてほしい」と期待している。

 (衆院選取材班)

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