岐阜
2017年10月14日 紙面から
衆院選は二十二日の投開票に向け、論戦が激しさを増している。県内五つの小選挙区に出馬した主な候補者の横顔を紹介する。
(上から届け出順)
「自分たちの国は自分たちで守ろう。そして、家庭のお財布を豊かにしよう」。憲法九条でうたう交戦権の放棄も北朝鮮には除外するという厳しい外交と、消費税率の引き下げなど生活者に優しい施策を掲げる。
政治に興味を持ったきっかけは二〇〇八年。「ある食品による死亡事故で、消費者庁が原因をよく調べないまま、商品を製造中止にさせた。権力のすごさ、怖さを感じた」。翌年に設立された幸福実現党から国政に四度、挑戦した。
会社勤めと契約アナウンサーなどを経験し、結婚後は三人を産み育て「家族でも違う価値観を持って時にぶつかり合う。公平に接してきたことが、政治活動にもつながっている」と自負する。二年前に初孫にも恵まれた。
「権力者こそ人の気持ちが分かり、真面目に自分の心を見つめる人でなければ。政治に信頼と愛を注ぎたい」と意欲を語る。最近の趣味は、造花を使った「フラワーバッグ」作り。
(鈴木智行)
◆候補者アンケート
(1)選挙区内でお気に入りの場所は?
(2)生まれる前の過去に行けるとしたら、いつ、どこで何をしたい?
(3)関ケ原で有名な岐阜。自身を戦国時代の人物に例えると?
(1)十六銀行前、金華山山頂の岐阜城、ぎふメディアコスモス、川原町。街宣の中で岐阜への愛を感じる。
(2)宇宙の始まりの時代。ビッグバンが見たい。
(3)織田信長。自分の国は自分で守る。楽市楽座、関所の廃止など規制撤廃による資本主義精神。
公示までの一週間はまるでジェットコースターに乗っているようだった。九月末の衆院解散。民進党の新党「希望の党」への合流、自身の公認見送り、無所属での出馬−。政局に振り回されたが、原点を見つめ直す契機になった。「置き去りにされる地方の市民の声を中央に届けたい」
NPOで二十年以上、国内外の子どもらを支援するボランティア活動にいそしむ。所属団体の代表は、細川護熙元首相の妻佳代子さん。「市民運動には限界がある。政策決定の最上位である政治に関わり、法整備につなげて」と助言され、一念発起。二〇〇五年から自民党や旧民主党で国会議員の秘書を務め、四度目の国政挑戦だ。
生田流琴奏者の顔も持つ。地域の寺院で開くコンサートでは桃色の着物姿。最後はいつも童謡「ふるさと」。三番の歌詞が好きだ。“山は青き故郷(ふるさと) 水は清き故郷”。「自然の宝がいっぱいの岐阜の魅力を伝えたい」。大学生と社会人の二男一女の母。
(兼村優希)
◆候補者アンケート
(1)選挙区内でお気に入りの場所は?
(2)生まれる前の過去に行けるとしたら、いつ、どこで何をしたい?
(3)関ケ原で有名な岐阜。自身を戦国時代の人物に例えると?
(1)長良川・金華山エリア。毎日散歩しながら美しく力強いエネルギーをもらっている。全部大好き。
(2)今ここ、岐阜。過去よりも前進あるのみ。岐阜に生きる人たちとともに市民参画型の社会づくりを進めたい。
(3)織田信長。天下を制した信長公のように、私も地域の人たちと歩み、徳のある国造りをしたい。
一九九〇年から数えて十回目の選挙。総務相の重職に就いてもなお「初めて選挙に出た時の長いものには巻かれないぞという気持ちを、これからも政策の芯として持っていく」と初心を忘れない。
公務で多忙な日々を送る中、二〇一一年に出産した長男と過ごす時間を大切にする。睡眠時間を削って朝や夜に仕事をこなし、髪も短くした。「なるべく自分に時間がかかることをリストラしています」と目尻を下げる。
時には安倍晋三首相に耳の痛いことも「お母さんになった気持ちで」進言してきた。自身が長年、訴えてきた子どもや若者への支援策を自民党が掲げることに「ようやく自民党政権の考え方が変わってきた」と歓迎する。
趣味は読書。村上春樹さんの小説「騎士団長殺し」の感想は「まどろっこしくて、あり得ないことが起きて、結局何だったんだろうというまま終わる。文学って奥深い」。混沌(こんとん)とした政界にも自然体で臨む。 (杉浦正至)
◆候補者アンケート
(1)選挙区内でお気に入りの場所は?
(2)生まれる前の過去に行けるとしたら、いつ、どこで何をしたい?
(3)関ケ原で有名な岐阜。自身を戦国時代の人物に例えると?
(1)岐阜柳ケ瀬わくわく広場。定期的に仲間たちと国政報告している所。元気になり、終了後に買い物できる。
(2)高校3年生、米ミシガン州。合格して入学予定だった大学に入学したい。
(3)豊臣秀吉。「何事もつくづく思い出すものではない」「障子を開けてみよ。外は広いぞ」など、考え方が近い。
(衆院選取材班)