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岐阜

18、19歳へ訴え届け 「LINEで」「教科書生かせる」

2017年10月6日 紙面から

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 昨年の公職選挙法改正で十八、十九歳に参政権が認められてから、初となる衆院選の公示が十日に迫る。「代議士」と呼ばれ、参院よりも身近とされる国会議員を選ぶ機会に、高校生も参加する。県内の立候補予定者は、この年代の有権者をどうとらえ、何を訴えるのか。

 五日午後五時すぎの名鉄岐阜駅前。演説する共産新人、山越徹氏の前を、制服姿の高校生がたびたび通り過ぎた。チラリと視線を送る生徒もいれば、エールのように口笛を吹く自転車の生徒もいた。

 「若者が未来を語れない今の政治は駄目、と訴えていきたい」と山越氏。「その意味で、今日は少し伝え切れなかった。高校生の前では、内容をもっと考えていかないと」と選挙戦を見据えた。

 同じ1区の自民前職、野田聖子氏は「今の十八、十九歳は、私たちの時よりはるかに大人」とみる。「今しか見ていない世代が多い政治にあって、この世代は近未来を自分のこととして見られる。将来、寄り添える政策が何かを吟味してほしい」と期待する。

 その世代に、どう言葉を響かせるか。1区に無所属で出馬する新人、吉田里江氏は「ネット選挙を駆使している。LINE(ライン、無料通信アプリ)で若者のグループと付き合い、『決起集会に来てね』と呼び掛けている」と話す。

 新党「希望の党」から5区に挑む元職、阿知波吉信氏は「学校の教科書に書かれていることを生かせる選挙ですよ、と話している」と自負。争う自民前職の古屋圭司氏は「『近ごろの若者は』と言われるが、今はそうではなく、むしろ堅実で研究もしている。誠実に情報発信をしていく」と意気込む。

 選挙権を二十歳から引き下げた改正公職選挙法は、昨年六月に施行された。同七月の参院選では県内の十八、十九歳の半数近くが投票したが、今年一月の知事選では、この世代の平均投票率は三割未満。各候補が、十代の関心をどれだけ引き出せるかが注目される。

 (衆院選取材班)

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